仙台市議会委員 加藤和彦のHP。活動及びプロフィールなどのご紹介。

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平成22年 第1回定例会

会派「新しい翼」の加藤和彦です。

「市役所の改革こそが仙台の将来を明るいものにする最初の一歩である」という奥山市長の所信に強い期待を込めている一人です。それゆえに、昨年9月議会で申し上げましたように、これからの仙台市政をどのように構築していくのか、具体的な目標を示してほしいという思いはますます募るばかりです。しがらみや固定概念にとらわれることなく自由な魂で物事の本質を考え、 活発な議論をすることにより、一人では到達することができなかったよりよい答えを見いだすことができ、それを行動につなげることができるのではないかと思うのです。

そこで、及ばずながら地域の方々と膝を交えて交流を深める中で宮城地区の将来を考えたとき、現在の青葉区役所・宮城総合支所の役割と責任に改革が必要不可欠であると思い至りました。そして市役所の自己改革については待ちに待った事項であり、この点に集約して質疑を行います。


大区役所制の改革への提言


⑴ 時代に沿わない機構

少子高齢化・人口減少・福祉医療重視時代の到来で全国の政令市が区役所を軸にした自治改革を進めていることが報じられています。地域経済の冷え込みと共に多様化複雑化する住民のニーズに応える意識改革の土台は、市民に最も身近な総合行政機関づくりである。地域連携協働の拠点、本庁との縦割り打破など、先行する政令市の模索を通じて仙台市の大区役所制の改革を考える。

各区にフルセットのミニ市役所を整備し、「大区役所制」の先進自治体として注目された仙台市だが、「最適な仕組みとは何か」という議論が見送られたまま、行政組織としての輪郭がぼやけていくばかりです。大区役所制の旗にとらわれない市民本位の組織をどう作るか、行政と議会の大きな課題であると考えています。

宮城総合支所にしても地域密着をモットーにしながらマンパワー不足等もあり、実態としては地域情報の把握は受身とならざるを得ない。つまり集まってくる人の情報を当てにしている。その点では各市民センターとの連携が果たす役割は大きい。

しかし、より多くの問題を抱える高齢者は情報発信の方法としてパソコン利用には困難がありインターネットでの書き込みは無理と考えるべきで、市民との対話の機会を直接会話の場として計画するのが適切と考えます。その中から行政側に求められる本当に必要な要望を汲み取り、市の行政に取り入れることを行政改革の骨子に組み込むべきと考える。すなわち御用聞きに徹する覚悟が必要であります。

現在の区役所・総合支所の機構は改善するべきかどうか、どのように改善すべきか当局のご見解と対策をお伺いします。

 

⑵ 住民との信頼を高める

神戸市では地域に昼夜を問わず町内会やまちづくり団体の会合に足を運び、膝をつき合わせて課題や活性化を話し合っています。東灘区役所の担当課長は「顔の見える行政が区の基本。窓口と責任を一本化したことで住民との信頼関係は確実に強まった」と話した。地域には自治会や子ども会、老人会など多様な団体が混在します。仙台市は課ごとに所轄するが神戸市は地域を一つと捉えた。いわば「教科担任制」ではなく「クラス担任制」であります。

名古屋市では区を跳び越え、更に小さいエリアに着目する「地域分権」を打ち出した。07年に区役所改革基本計画をまとめた。計画の骨子には「職場風土の改革」があり施策運営は、計画・実行・点検・改善のサイクルを目指しています。

同じ政令都市でも目線の異なる他の都市の区役所の機構について学ぶべきことはないか当局のお考えをお伺いします。

 

⑶ 行政は市民のために

経営再建中のゼネラルモーターのボブ・ラッツ副会長は「世界最大であることは常に愚かな行動を導く。良い自動車メーカーは顧客のために集中すべきだ」と話した。行政は市民のために集中すべきだと言っているように思えます。端的に言えば市民の求めているものを着実に捉え、市民の目線で支えていくのが行政なのです。この目線で考えて区役所や総合支所を見直す時期に来ていると考えます。

「時代の変化に対応した簡素で無駄のない施策体系の構築、悪しき横並びや縦割り等を排除した組織運営の更なる効率化、多面的な能力と機動性を身に付けた職員への進化」を約束された市長の慧眼に敬意を表するとともに、具体的にはここに披瀝した事例からも大区役所制・総合支所の果たす役割の見直しと改革の必然性と緊急性があることを再認識して行財政改革に当たっていただきたいと考えるが、当局のお考えをお伺いします。


大区役所制の改革(区役所・総合支所の機構改善等/他政令市の区役所の取組み例/大区役所制・総合支所の役割見直しの必然性)

市長からもご答弁申し上げましたとおり、本市におきましては、これまで大区役所制を採用し、地域行政サービスを総合的に提供する行政機関として、区役所・総合支所を位置づけてきたところでございます。

他方、これからの地域行政においては、ご指摘のように、市民と協働・連携しながら、様々な地域課題に適応したきめ細かな地域づくりを効果的に進める視点に立って、区役所・総合支所の機能や施策の充実を図ることが、ますます重要になるものと考えております。

こうしたことから、組織や事務分掌のあり方とともに、市民ニーズや地域情報の的確な把握と活用に向けた取組みなど、市民本位の施策の推進に向けて、幅広い観点から地域行政の充実強化を図っていくことが、行政改革の上においても必要であると認識しているところでございます。

ご紹介いただきましたように、他都市で区のまちづくり機能の強化に向けた組織や地域支援体制の面で様々な試みが行われていることから、こうした他都市の先進事例も十分検証しながら、取組みを進めてまいりたいと考えております。