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加藤和彦議員定例会一般質問に対する回答●太陽光発電の活用等について ●産業復興支援策について (地産地消型電源の確保について) (農地の大電源地域としての活用について ) (東部沿岸地域の土地利活用について ) 大震災を踏まえての今後のエネルギー供給のあり方に関するお尋ねにお答えいたします。 今回の大震災では,津波被害により沿岸部に立地する発電所などエネルギー関連施設の多くが被災した結果,震災復旧に向けた都市活動のみならず市民生活や企業活動においても重大な支障を来たしました。エネルギー調達のあり方が大きな課題として浮き彫りになり,その教訓を踏まえ,震災復興ビジョンにおきまして,省エネルギー・環境先進都市を目指す方針を打ち出したところであります。原発事故に起因する,その後のエネルギー転換の議論も踏まえますと,太陽光などの自然エネルギーを利用した分散型発電の活用は,今後,幅広く取り組みが進められるものと認識しております。 大津波による塩害や地盤沈下などの被害が深刻な東部地区の再生にあたりましては,大規模ほ場の整備や農業経営形態の見直しによる効率化など,農地としての再生を基本としつつ,ご提案のようなエネルギーの創造も可能となるモデルタウンとしての復興を目指してまいりたいと存じます。 (県の復興計画について )(リーダーについて) (経営者について)(系統の安定化について) 太陽光発電の活用に向けた4つのポイントに関するお尋ねでございます。 まず,県の復興計画に関するお尋ねでございますが,ご指摘のとおり,宮城県におきましても本市と同様に太陽光発電の推進を目指しておりますことから,今後,宮城県との連携を図ってまいりたいと存じます。 次に,用地の確保に関するお尋ねでございます。太陽光発電の大規模施設整備に当たりましては,地権者の意思統一も重要な要素になるものと認識いたしており,検討に当たって,地権者の皆様や農協など関係者との合意形成やそのためのまとめ役などが必要になるものと存じます。 第三に,実施主体となる企業についてでございますが,事業化に向けましては,意欲と実行力のある企業が経営に当たっていくことが望ましいものと考えております。 最後に,系統の安定化に関するお尋ねでございます。技術的には,電力会社と接続した場合の電圧や周波数の調整など,ご指摘の点がポイントになるものと認識をいたしております。 (国の制度改革について )(発電設備の低価格化等について)(市の姿勢について) 太陽光発電の普及に関するお尋ねのうち,国の制度改革に関するお尋ねでございます。 太陽光発電の普及に向けましては,ご指摘の全量固定価格買取制度など,一定の売電メリットが生じるような制度設計の可否が,重要なポイントになるものと認識いたしております。現在,国において制度化が検討されていると伺っておりますが,この動向にも留意してまいりたいと存じます。 次に,発電設備の低価格化等に関するお尋ねでございますが,特に家庭への普及などには,製品の低コスト化や高性能化など,製品への技術革新が鍵になるものと認識いたしております。 最後に,本市の姿勢に関するお尋ねでございますが,震災復興ビジョンにおきましては,自然エネルギー利用推進の姿勢をお示ししたところであり,今後,様々な課題を精査し,宮城県などとの連携も図りながら,本市経済の活性化を創出し,新しいエネルギー源となる太陽光発電の導入の可能性について,検討を進めてまいりたいと存じます。 ●中央卸売市場の食品の安全性の広報について 中央卸売市場における食品の安全性確保についてでございますが,宮城県をはじめ出荷地において専門機関による放射性物質の検査を受けており,本市場で取り扱う食品は安全であると認識いたしております。 農水産物の安全性の確認につきましては,出荷地において検査等を行うことが最も効果的でございますので,今後とも,検査頻度や品目の拡大等について宮城県に強く働きかけるとともに,市場内の卸売業者等に対し出荷規制や検査結果に関する情報を随時提供するなど,「食の安全・安心」の確保に向け適切に対応してまいりたいと考えております。 ●被災者の健康確保・生活支援について (生活支援について) (被災者の生活再建支援について) 避難者の生活と健康を守ることについての数点のご質問にお答えします。 避難所における食事の提供については,他の地域からの炊き出しの支援や,避難所運営委員会とも協議しながら,弁当だけでなく温かい汁物の提供のほか,必ずしも全ての避難所で行うことはできませんでしたが,食事の材料を提供して自炊するなど,できるだけ避難所で生活している方々の希望に沿うような形で実施してきたところでございます。 また,一部の仮設住宅においては,臨時職員を仮設住宅の集会所に配置し,入居者の相談に対応しているところでございます。 今後につきましては,高齢者の方など支援が必要な方もいらっしゃることから,支援体制については,民生委員児童委員の活動の強化や,NPO等と連携しながら,入居者の状態に応じた支援に取り組んでまいりますとともに,食生活に関しての指導が必要な場合にあっては,栄養士を派遣し,食の改善に向けた指導を行ってまいりたいと考えております。 (在宅被災者への支援について) 在宅被災者への支援についてでございます。 これまで,高齢者・障害者につきましては,地域包括支援センターや関係団体等の協力により,安否確認や必要な情報の提供等を行ってまいりました。 また,津波被害の地域の方々につきましては,他の自治体の応援をいただきながら,区役所の保健師が家庭訪問により健康状態を確認し,必要に応じて相談窓口や被災者支援のサービスを紹介する等の支援も行ってまいりました。 今後は,津波被害以外の地域におきましても,地域包括支援センターや民生委員などの協力を得ながら,家庭訪問や電話連絡等により,健康相談や必要な情報の提供等を行い,被災者が在宅でも安心して暮らすことができるよう取り組んでまいります。 ●学校給食について 教育に関するご質問のうち,まず学校給食についてお答えいたします。 最初に,牛乳の安全性につきまして,学校給食で提供しております牛乳は宮城県産でございますが,宮城県で実施している放射能測定において,国の暫定指標値を大きく下回っており,安全性に問題はないものと認識しております。 次に,完全給食の再開についてでございます。被災した施設の復旧に合わせ,5月から順次完全給食を再開しておりますが,一部の給食センターにつきましては復旧に時間を要しております。この間,パンやご飯,牛乳といった主食中心の給食を提供しておりますが,おかずが未提供であることから,本来必要とされる栄養量を充足していない状況にございます。このため,本市といたしましても1日も早い給食センターの再開に向け,修繕工事を急ぐとともに,献立作成や食材の調達などの準備を進めてまいりました結果,7月初めには全ての給食センターが再開し,おかずの提供もできる見通しとなってきております。 ●産業復興支援策について (企業の資金調達について) (企業の立場に立った支援方策等について) (経済回復に向けた当面の取組みについて) (賑わいの創出について) (市内へ立地する事業者への支援について) 企業の資金調達及び企業の立場に立った支援方策等,経済回復に向けた当面の取組み,将来に確実に結びつく観光業・小売業への支援,事業者への支援のあり方についてでございます。 このたびの震災を受け,3月18日から仙台市産業振興事業団や仙台商工会議所など10団体によります合同相談窓口を開設し,資金繰りや従業員の雇用問題など,5月末までに延べ約1200件の相談を受けてきたところでございます。 今後は,窓口での相談だけではなく,専門家派遣事業や御用聞き型企業訪問などにより,相手企業に出向き,企業の状況やニーズを把握し,それぞれの企業に応じた的確な支援を行ってまいりたいと考えております。 震災後の緊急ヒアリング調査において把握した本市経済の被災状況を踏まえ,今般,集中経済施策を実施することといたしました。 第一に,被災企業が早期の事業再建を進めるためには,負担の少ない借りやすい融資制度が重要と考えており,保証協会が100%保証する融資制度や利子及び保証料を補給する制度を創設し対応いたします。被災企業に対する制度は,宮城県や日本政策金融公庫などにおいても設けており,それぞれの実情に応じた利用がなされるよう金融機関とも連携し,円滑な資金調達に向けて取り組んでまいりたいと考えております。 第二に,現地で工場を復旧する際の支援制度についての問合せも多く寄せられましたことから,新たに製造業の現地での復旧に対する補助制度を創設いたしました。これまでも,県内に立地する企業の事業拡大が本市経済へ波及することなどから,御用聞き型企業訪問や寺子屋せんだいを始めとした各種セミナーなど,市外企業も含めて支援を行ってきたところであり,引き続き,幅広く,企業を支援して参りたいと考えております。 第三に,大きく減少した交流人口の回復を目指し,緊急対策として,国際会議の誘致や六魂祭等のイベントの開催,全国キャラバンなどの取り組みを進めております。短期的な取り組みだけでなく,東北全体の連携を深め,点在する観光資源を有機的につなぎ,東北独自の魅力の創出や情報の積極的発信に努めるなど,将来的な展望を持って観光産業の振興に取り組んでまいります。 今後とも,相当の期間,支援を継続する必要があることや,事業者の皆様のニーズも時間の経過に伴って刻々と変化していくことから,適宜,状況を把握しつつ,中長期的な視点も含めた経済支援策を間断なく実施してまいりたいと考えております。 (農家の再建支援について) 被災農業者の将来についてでございますが,農家の意向調査によりますと,営農意欲は専業的農業者では高い割合となっておりますが,兼業農家を含めますと6割程度となっております。 営農意欲の高い農業者につきましては,担い手として営農再開に向けた各種支援を行うとともに,兼業農家や高齢者の方々につきましても,それぞれの状況に応じ農地の賃貸や集落営農組織での労力提供,市民農園の開設,畑作への転換等,多様なメニューを提示し,意向を伺いながら被災農業者の支援に努めて参りたいと考えております。 (製鉄事業所への働きかけについて) 製鉄事業者への働きかけについてでございます。 現在,がれきの撤去・処理につきましては,可能な限りリサイクルに努めることとし,鉄くずのリサイクルについても,概ね現状で処理が可能な状況であると伺っております。 今回,閉鎖が決まった製鉄事業者につきましては,世界的な競争の激化の中で,やむを得ない判断と理解をいたしておりますが,港湾地域における大規模製造業は,地域経済の活性化にとって,重要と位置づけていることから,今後とも,可能な限りの支援を行ってまいる所存でございます。 ●災害に強い産業の立地について (工業団地の立地について)(仙台平野の土壌について)(地盤と産業立地について) ●上愛子地区への企業育成の場の提供について 市内の工業団地の配置,産業立地と地盤並びに宮城地区への産業集積についてでございますが,製造業の立地につきましては,地盤はもとより物流インフラや従業員の通勤の便のほか,関連する産業群の大規模な集積など,様々な要素により決定されるものと認識いたしております。 こうした観点から,本市におきましては,交通インフラ整備の歴史的経緯や大規模な平地が確保できるといったことから,揚水対策などを行いながら,東部地域におきまして,製造業を始めとした産業の集積を促進してきておりますが,近年,東北自動車道などの交通インフラの整備が進み,内陸部の宮城地区や泉地区への先端産業や物流業などの立地を誘導してきたところでございます。震災後の市内の製造業や物流業の配置につきましては,生産や物流の効率や地盤といった企業の立地環境のみならず,物流ルートの多重化など災害時を含めた全市的な視点を踏まえて,検討してまいりたいと考えております。 (製造業者への支援のあり方について) 製造業等への支援のあり方についてでございますが,本市及び本市近郊において集積しております大手製造事業所は,地域経済において重要な中核的役割を果たしているものと認識いたしております。 これらの企業が,円滑に操業できるよう,産学連携や人材採用への支援,地元企業とのマッチングなど,様々な支援を行うとともに,地域経済との関係強化に向け,中小企業への技術支援を含め,製造業の振興に取り組んで参りたいと考えております。 ●学校の復旧見通しについて 教育施設の復旧に関するおたずねでございます。 今回の震災による被災は全校にわたっておりますが,中でも被害が大きい学校の校舎につきましては,修繕に複数年を要しますことから,そのような学校は仮設校舎の建設を進めており,11月頃の完成を目指しております。また,その他の現在使用できない教室や体育館などにつきましても,順次復旧を進めていくこととしております。 議員のご指摘のとおり,学校を子供たちの笑顔と元気な姿にあふれる場とすることが最も重要なことと認識しておりますので,現状においても様々な工夫を行いながら,一日も早い復興を目指してまいりたいと存じます。 ●山の手新副都心構想の実現について 山の手新都心構想に関するお尋ねにお答えいたします。 宮城地区につきましては,JR仙山線や仙台西道路などにより市内中心部へのアクセスに優れておりますことや,周囲に豊かな自然環境がございますことなどから,商業・業務機能の整備とともに人口の増加が進んでいる地域であると認識いたしております。 新たな基本計画におきましては,このような地域特性を踏まえまして,今後とも,良好な住環境を有する地域としてまちづくりを進めることといたしておりますが,宮城地区における将来を見据えたご提言の視点も大切にいたしながら,さらなる発展につなげてまいりたいと考えているところでございます。 |