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加藤和彦 定例会代表質問
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加藤和彦議員定例会一般質問に対する回答
(これまでの産業政策について) これまでの産業政策についての所見でございます。 本市は、藩政時代は流通と商いの街として藩財政を支え、明治以降は交通網の発達等により、宮城県だけでなく、東北地方の行政、金融、学術の中心都市として、様々な情報と有為な人材が集まる街として発展してまいりました。本市の経済施策を省みますと、主に中心部商店街の機能強化や東部地区での卸売り機能の整備にはじまり、その後、時々の社会経済状況に対応しながら、産学連携の推進や情報・人材を活用する都市型産業の誘致など、都市の資源や特性を最大限活かす諸施策を実施してきたものと認識いたしております。 今後も、本市のみならず周辺自治体との役割分担を図りながら、時代のニーズを的確に捉えた経済施策にしっかりと取り組んでまいる所存でございます。
(商業都市の構築等について) 商業都市としての構想についてでございます。東北で最大の商業集積である中心部商店街や、それぞれ特色ある商圏を有する地域商店街及び商業集積エリア、また東北各地への卸機能を持つ卸売業の集積などが、本市の商業都市としての特徴であると認識しております。 中心部商店街につきましては、平成22年に策定しました「仙台市中心部商店街将来ビジョン」において、品揃えを始め食やイベント等のプラスアルファの楽しみ、交通利便性などが消費者から求められていると分析しており、今後、各商店街が策定するアクションプランに基づき、具体化を図る予定でございます。 本市といたしましては、この動きを支援することで、個性ある各商店街が魅力ある中心部商店街を形成するとともに、地域商店街や郊外の商業集積エリアを含め、海外観光客や東北一円も視野に入れた幅広い消費者のニーズや期待に応える商業都市としての発展に繋げてまいりたいと考えております。
(産業政策の将来展望と構想について) 本市の産業政策の将来展望と構想についてでございます。 震災により大きな被害を受けた東北の振興には、まずは本市の再生が不可欠との認識のもと、これまで、早期の復旧・復興を第一とする集中施策やステップアッププランに取り組んでまいったところでございます。 今後、復興の先にある東北の未来を見据えるとき、その牽引役としての本市の役割といたしましては、単に従前の都市機能を回復するだけではなく、より高い次元の中枢都市として生まれ変わり、本市への内外からの投資や交流人口の拡大を図ってまいることであると考えております。 そのため、従来からの企業育成に加え、大学等との産学連携による新たな商品開発や国際的コンベンション誘致による情報発信力の強化、さらにはエコモデルタウンといった再生エネルギーの活用による新たなまちづくりといった取り組みを進め、東北全体の経済活性化にも寄与してまいりたいと考えております。 今後とも、東北の発展が、さらにその中心たる本市の持続的発展に還元される、そういったより良い循環を生み出すことができるよう、積極的な経済施策を展開してまいる所存でございます。
2東西線の計画と現在の状況認識との相違について 地下鉄東西線の沿線まちづくりに関するご質問にお答えいたします。 東西線沿線のまちづくりは、エネルギー効率が高く、環境にやさしい機能集約型の都市構造の形成を図り、暮らしの質や経済活力を高めることを目指すものでございます。 東日本大震災を経て、非常時にとどまらず、平時においても高いエネルギー効率と経済性を両立するモデル的な取組みであるエコモデルタウン事業を震災復興計画に位置付けたことを受け、荒井東地区におきまして、民間資本との連携によりまちづくり協議会を設立し、官民協働による環境に配慮した持続可能なまちづくりを進めているところでございます。 東西線の開業まで後2年余りと迫っておりますことから、今後のまちづくりにおきましては、これまで取り組んでまいりました荒井地区の新市街地整備や震災復興事業による省エネ・新エネプロジェクトに加えまして、本市の強みである市民力を活かしながら、卸町や六丁の目地区における地域産業の高度化など、各駅における様々な取組みを加速させ、それらを連結することにより、駅間の交流に発展させるとともに、沿線全体ひいては本市全体の活性化に繋げられるよう取り組んでまいります。
3エコモデルタウン構築計画の概略等について (経済局) エコモデルタウン構築計画の概略等についてのご質問にお答えします。 田子西地区につきましては、現在、復興公営住宅のエネルギーセンターの建設工事に着手したところであり、秋口から順次、建物の屋上への太陽光パネルの設置工事等を進め、年度内にはすべての整備が完了する見込みとなっております。 荒井東地区につきましても、田子西地区の取組で開発しているエネルギーマネジメントシステムの活用等を図るなど、官民連携による事業展開を検討しているところでございます。 本事業を通じ、省エネ効果が高く、非常時にも一定のエネルギー確保が可能なまちづくりのモデルを構築してまいりたいと考えています。 (環境局) 避難所等への防災対応型太陽光発電システム整備事業の計画概要についてでございます。 本事業は、平成24年度から27年度までを計画期間とし、小学校等市内200箇所余りに導入する計画としております。 本年度については、小学校13箇所、市民センター2箇所、宮城総合支所の計16箇所への設置を進めており、来年度は60箇所余りに設置する予定となっております。 この事業では、将来の拡張性を考慮し、小風力発電の追加や電気自動車からの給電も可能なシステムの工夫も行っており、宮城総合支所には、先行的にそうした対応も行っているところでございます。 今後とも、このような防災性、環境性の高い本事業を着実に進めてまいります。
4せんだいE-Actionについて 低炭素都市づくりに関連して「せんだいE-Action」の取り組みについてでございます。 これまで本市では、地球温暖化対策の一環として低炭素都市づくりを掲げ、省エネルギーの取り組みや太陽光発電システムの普及などを進めてまいりました。 今般、震災による経験を踏まえ、そうした従来からの取り組みに防災の観点を加えまして、「せんだいE-Action」として展開することといたしたところでございます。 新年度では、この取組みの意義を多くの皆様にご理解頂けるよう啓発活動に力点を置き、身近な実践の動機付けとなるパンフレットの作成や参加型の事業を実施してまいります。また、情報発信力や行動力を持つ若者層を対象としたプロモーション活動を行うことなどにより、これら若者を発信源として、さらに幅広い層へと、この取組みに関する理解を浸透させながら、本市の防災性の強化と低炭素化に繋げてまいりたいと考えております。
5ゴミ処理量の推移等について 本市のごみ処理量の推移についてでございますが、本市のごみ処理量は、平成22年度の合計36万7千トンに対し、平成23年度は41万2千トンと、東日本大震災の影響等によって約4万5千トン増加いたしました。 その内訳としては、家庭ごみ・資源物・粗大ごみ等を含む「生活ごみ」が約1万5千トン、「事業ごみ」が3万トン余りの急激な増加となっております。今年度のごみ処理量を昨年12月までの実績から推計いたしますと、平成23年度に比べ、合計で1万8千トン程度、内訳としては「生活ごみ」が約4千トン、「事業ごみ」が約1万4千トンそれぞれ減少する見込みでございまして、震災発生後から続いてきた増加傾向が徐々に落ち着きつつあるものと判断しております。 また、今後の減量目標等でございますが、平成22年度末に策定した「一般廃棄物処理基本計画」におきまして、平成32年度までに、平成21年度に比べ、ごみ総量で10%以上を削減し、リサイクル率を40%以上にするという数値目標を掲げているところでございます。 今後は、クリーン仙台推進員などと連携しながら、これまでの分別・リサイクルを中心とした取り組みに加え、例えば、家庭から極力生ごみを出さない工夫の紹介や、マイカップ・マイボトルの使用を推奨するなど、ごみの発生そのものを抑制するリデュース、再使用を促すリユースに関する普及・啓発をさらに進めるなどいたしまして、市民・事業者の皆様の幅広いご協力を頂きながら、目標の達成を目指してまいりたいと考えております。
6企業の海外進出に対する支援について 企業の海外進出に対する支援に関する数点のご質問にお答えいたします。 まず、将来を見通した企業を育てる計画についてでございます。企業の海外展開はますます重要性を増しておりますが、特に販路拡大や事業展開などの目的に応じた、市場、手法等の適切な選択が必要であると認識いたしております。 本市はこれまで、市内企業の要望が多いアジア市場への食品輸出の促進や、フィンランドとの協定等を活用した製品・サービスの開発支援などを行ってきたところでございますが、今後とも、変化する市場動向に的確に対応するため、現地のニーズやトレンド等の情報収集に努めながら、企業を支援してまいりたいと考えております。 次に、海外進出希望企業の実態等についてでございますが、本市が実施する国際経済セミナーや、海外販路拡大支援事業等を通じて、進出企業の掘り起こしと実態把握に努めております。 また、進出希望先に関する情報につきましては、本市が現地訪問などを通じて築き上げてきた関係機関やキーパーソンとの人脈や信頼関係を生かして情報収集し、企業に提供しているところでございます。 次に、自治体事業の海外展開についてでございますが、本市のインフラ等に関わる様々なシステムの中には、実際に海外からの照会や問い合わせを受けた例もございます。 システムや技術の海外進出には、展開先のニーズや社会経済状況などの可能性の評価が必要であり、復興途上にある段階で積極的な展開が難しい状況もございますので、まずは、他都市の事例等を調査・検証してまいりたいと考えております。 最後に、自治体の海外拠点づくりについてでございますが、海外における市場調査や販路開拓、交渉などの様々な局面で企業に適切な支援を行うため、本市もこれまでジェトロ等の海外事務所に職員を派遣し、職員の資質向上や各機関との関係構築等に努めてきたところでございます。 現地での支援につきましては、今日、多様な通信手段がございますので、商慣習や法体系、知的財産制度などを熟知した法律や会計制度などの専門家との連携・協力関係を築いた上で、職員が必要に応じて訪問するなどの手法により、適宜機動的支援に努めてまいりたいと考えております。 |