仙台市議会委員 加藤和彦のHP。活動及びプロフィールなどのご紹介。

加藤和彦 定例会代表質問

 

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加藤和彦 定例会代表質問

 

 

自由民主党・仙台の加藤和彦です。

 昨日、2020年東京オリンピック招致決定のニュースが入り、国民のほとんどが喜びに沸きましたまた。あらためて招致決定を市民の皆様とともに喜びたいと思います。県内にもプレゼンテーションに出席した方がおられ好評だったことは、次につながる仙台市の国際都市1ステップアップを確実なものにするものと期待しております。招致決定による本市への影響及び効果について、市長のお考えを伺います。

 さて、会派を代表して、本定例会に提案されております平成24年度一般会計、特別会計、企業会計等歳入歳出決算認定に関する件並びに各号議案に関連して、市長の所信を含め総括的に質疑をさせていただきます。

初めに、奥山市長には、このたびの市長選挙において、多くの市民の信任を得られ、引き続き第34代に就任されたことに、心よりお喜びを申し上げます。

 東日本大震災以降の平成24年度は復興元年と位置づけ、全市を挙げて復興の取り組み、今後の対応について、骨格となる制度の確立と財源の確保が図られ、具体的な成果が出始めるなど本市復興の輪郭が姿を現したことが高く評価されたと信じております。

 

1 市長選挙の結果の評価と東日本大震災の復興について

 7月の参議院選挙からインターネット利用が解禁された現在では、どこにいても世界中が分かるほど情報網と送受信装置が発達し、市民は市の情報だけでなく客観的な情報も比較検討しているので、市長の考え方が市民のために役立つかどうかを、市民の立場で判断する時代になっております。そこで、今回の選挙の結果を読み解くと、重大なことが指摘される。選挙への関心が低調で、市民に「どうせ無風選挙」という印象を強く持たれた結果30.11%という過去最低の投票率となり、無効投票は7,184票に上りました。結果としては7割を超える得票率を得て大差で再任されたが、有権者84万人のうち59万人が棄権したという事実は大変重いものです。

 奥山市長は今回の選挙結果をどのように受け止めているかまずお伺いします。

 

これからの4年間は、市民の付託に応え、復興では被災者の就労支援、被災者への直接支援、住まいの再建などの強い要望に応えるべく、これから奥山市長は復興の最先端に立って、力強くその舵取りに当たって欲しいと強く要望します。

奥山市長もこの度、市民との対話を通じて市民の関心の中核に触れ、復興の先を見据えた今後の東北を牽引する中枢都市づくりの舵取りを担う鮮やかな行政手腕と、強力なリーダーシップを思う存分に発揮すべきと考えます。

 そこで、奥山市政2期目の最初の市議会を迎えるに当たり、改めて本市復興事業の現状と今後に向けた課題認識、そして復興の加速化を図る決意、今後の市政運営について市長の所見をお伺いします。

 

2 まちづくりと市民協働について

選挙中、100年を見通したまちづくりに取り組むのに「市民力こそは仙台が誇るべきまちづくりの原動力です。」といっていますが、しかしながら市民協働を呼び掛けられても市民にできること、行政でなければできないこと、市民力を最大限発揮するための協働のあり方など、問題は多々あるのではないかと考えます。市長が公約に出した新たな市民協働指針を具体化して、市民の目に見える形で市民協働の場の設定ができるか伺っておかなければ、市民は何をすればよいのか見当もつかないと考えます。

 まちづくりには地域の課題の解決もあり、地域の広さも様々で、将来の地域の発展性と市の力になる活動力を発生する具体的な方策が示される必要がある。事実人口減少の時期に入っているのに、若い人が魅力と夢を感じ定住への安心感を伴って喜んで入ってくるまちづくりは、どうあるべきか。それは市民協働でできることなのか。考えれば考えるほど矛盾に追い込まれる。確かにその街に住む市民の発想によるまちづくり案が必要である。加えてより広い視点での市当局の入った地域密着のまちづくり案が出揃って初めて全体像が浮かんでくる。

 奥山市長の市民協働とまちづくりをどのように考え、今後どのように具現化していく考えなのかお伺いします。

 

3 平成24年度仙台市一般会計・特別会計歳入歳出決算について

決算は、その地方公共団体が行った取り組みの結果を表しています。この度

の仙台市の決算は東日本大震災の影響の大きさを表していると感じました。

併せて公表された「平成24年度普通会計決算の状況」によると、平成24年度の歳出決算の総額は、過去最大となった23年度を更に上回る5,989億円となり、震災前の約1,5倍の決算規模となった。

決算内容を財政指標の点から見ると、自主財源比率が前年度に引き続き50%を下回る水準で、23年度の数字であるが政令市の中では最も低い水準である。また経常収支比率も23年度の101.6%を下回ったものの、96.5%という高い水準となっているなど、本市の復興を支える財政基盤は問題なしとはいえない状況である。

 その一方で報告された健全化判断比率を見ると、実質公債費比率が11.6%から113%へ、将来負担比率も147.8%から141.2%へと若干財政状況がよくなっているようにも見える。震災からの復旧復興を進めていくためには、足下の決算を的確に把握・分析することが重要であると考える。

 この観点から24年度決算をどのように捉えているか市長にお伺いします。

 

 今回の決算の大まかな内訳を見ると、通常分の決算額が約4,000億円、震災分が約2,000億円で、通常分が震災以前と同じ水準であることを踏まえると、予算規模が大きくなった理由は震災からの復旧復興事業にあるといえる。防災集団移転促進事業や復興公営住宅整備事業、被災宅地復旧事業など、復旧復興事業が本格化したことによるものである。

復旧復興事業の財源に関しては、当議会も国への要望を重ねたが当局や被災自治体との一丸となった要望活動が実り、災害復旧事業に対する補助率のかさ上げ、東日本大震災復興交付金制度や復興特別交付税の創設など、復旧復興事業を実施する上で大きな財源を確保できた。

 本市の復興計画は概算事業費で8,500億円という膨大な規模で、今後被災各地での復興事業の本格化に伴い、資材・労務単価の高騰による工事費の増加が既に始まっているので、復旧復興事業の執行に影響がでるのではないかと懸念している。今後復興を進めるに当たり、市の財政状況はどうなっていくのか、市民に分かりやすく説明していく責任があると考える。

仙台市の財政見通しと対応の方向性」によると、今後徐々に予算規模は縮小していく一方、毎年300億円の収支差が発生し、3年間の総額は916億円になる見通しである。今後の地方交付税制度のあり方や復興計画期間以降における復興事業に対する財政支援などの動向次第では、心配が現実になる可能性がある。そして本市は復興を成し遂げるだけでなく、夢が開く仙台の未来を後世の市民に引き継いでいかなければならない。この行政需要を支える財政基盤を確立することが求められる。

 これらを一括して市長のご所見をお伺いします。

 

4 第2次産業の振興は活動力の原点であることについて

 私が前々から発言しているように、歴史的に商業都市として発展してきた仙台市であるが、商業はそれを支える産業・産物があって物や人の出入りが頻繁になり隆盛化するのであって、国内に限っても第2次産業が盛んな都市では市民に活力があり、市民力が目立つ傾向があることは明らかである。それならば仙台市はどうだろう。基幹的な工業誘致に成功したのはどれほどあるか、それがあってこそさまざまな周辺の企業が高度化し集まってくる。宮城県がトヨタを誘致した結果を見ても明らかなことである。

 将来の人口減少が始まると予想される中で、それができないとなればどのような手立てがあるか。仙台を取り巻く様々な企業に、仙台市をどうしても必要だと感じさせる何かを備えることだと考える。それを見出し成長させ定着させるのが市の役割ではないか。国連防災世界会議の誘致計画を取り上げてもそのリーダーは市長であろうし、産学の更なる連携を働きかけ新たなビジネスモデルを創出するために市長は何をどうしようというのか。選挙公約に出ている災害関連産業の集積計画案は出来上がっているならば公表するべきだと考える。

 第2次産業の振興についての市長の所見をお伺いします。

 

5 ILC(国際リニアコライダー)の時代を迎えることについて

 ILC(国際リニアコライダー)の国内の建設候補地が宮城・岩手両県にまたがる北上山地に絞られたことは、まことに画期的な出来事であります。誘致が実現すれば壮大な国際的学術プロジェクトが東北を舞台に実現する可能性が出て来ました。「北上は、許認可、施工上及び運営上のリスク、工期、コストなど技術的観点からの確実性において大きく優位である」これはILCの国内候補地を検討してきた科学者組織「ILC立地評価会議」の結論であります。

 実現にはまだ長い時間と予算の獲得、世界各国の協力、実現への懸命な努力がいるが、第1歩を踏み出したことは確実であります。 

  1. (1)ILCとは(I:国際、L:リニア直線、C:コライダー衝突加速器)

ILCは、宇宙誕生の謎に迫る次世代の大型実験施設で、地下100mに掘られた全長31~50㎞のトンネルの両端から発射した電子と陽電子を光速近くまで加速し、正面衝突させる。宇宙が誕生した大爆発「ビッグバン」の1兆分の1後を再現し、発生する素粒子を観測して、宇宙の成り立ちを明らかにする手がかりにする。

  1. (2)ヒッグス粒子及びダークマターとの関係

昨年、欧州合同原子核研究機関(CERN)が見つけた「ヒッグス粒子」の性質の解明を目指す。宇宙に大量に存在すると考えられている「ダークマター」の正体解明も期待される。CERNでは陽子同士をぶつける。陽子はぶつけるとさまざまな粒子が生まれ、現象が見えにくい。 


ILCの誘致への道程

 各国の同様の計画が、2004年、ILCに統合されました。8,300億円とされる建設費用の立地国の負担額は未定で、政府は誘致するかどうかの方針を決めていない。文部科学省の依頼で誘致の是非を検討していた日本学術会議は、研究上の意義を認めながらも、「ゴーサインを出すのは時期尚早」と慎重な見解を示している。

 政府の検討はこれからで、文科省は来年度予算の概算請求にILCの調査費5千万円を盛り込んだ。超党派でつくるILC建設推進議員連盟副会長の鈴木俊一外務副大臣は、政府レベルでILCに参加しようという国は少ないと指摘している。

実現すれば世界中の研究者とその家族ら1万人が移り住むとされる。研究施設や住居、医療体制、交通網の整備が求められ、ILCを核にした産業集積の具体的な構想づくりは地元でアイデアを出し合う議論を早い段階で始めるのがよい。

加速器技術は超伝導、医療、生命科学、環境・エネルギー、先端素材、超精密加工、計量、計測分野に波及効果が見込まれ、これまでにない新しい製品が生まれる可能性がある。それで産業集積にはどんな制度が欠かせないのか、特区の必要性なども含め、活発な議論を始めることは東北の未来を描く壮大な作業になり、東日本大震災からの復興と発展につながるはずだと考える。

 減収に悩みながらも東北の中心都市である本市では、おそらく1020年先を読んで、対応策を講じなければならないと予想し、その体制づくりを始めて、産学官の推進組織「東北ILC推進協議会」に参画し、()東北経済連合会、東北大学、東北6県などと連携しながら誘致活動に取り組んでいる。その陣容については不明にして存じません。

これらについて当局の所見と将来の展望をお伺いします。

 

6 東日本大震災の復興について

  1. (1)沿岸部復興について

今議会には集団移転先地の造成工事案件や、復興公営住宅に関する条例案件が提出され、集団移転に向けた大多数の合意形成と、移転跡地の買い取りなどの事業も順調に進んでいるのではないかと思います。また防潮堤の整備が進み、特に塩害のあった東部道路以東の農地に、稲の作付けの進んだ姿を見て、被災された農家の皆さんにとって、大きな希望の光となると推察します。

一方で津波防御施設整備後も浸水が予測される、いわゆる「津波浸水区域」の住宅再建支援に関しては、国による直接的な支援策がない中で、他の自治体に先駆けて復興計画の中に本市独自の支援策を実施してきたが、更に本年第2回定例会での予算措置に基づき、この8月から津波被災地域の住宅再建促進を目的とした新たな支援を開始した。

いままで更なる支援拡充を求める声もあったところですが、これまでの支援拡充を求める意見に対するご認識をお伺いします。

 

  1. (2)宅地復旧の状況について

 沿岸部でない被災宅地の公共事業での復旧については、大きく報道され注目された。今議会に2地区に係る変更契約の議案が提出されたが、昨年度中に全地区の発注手続きを完了し、今年度から本格的に現場での復旧工事が開始され

ている。最大の被害のあった折立地区においても、大規模な復旧工事が進行しているのを確認している。しかし、入札の不調による契約締結の遅れや資材不足等により、工事の遅れが懸念される。

 この点について現時点での影響をどのように見込んでいるか当局にお伺いします。

 関連して、折立小学校の本校舎地滑りの影響で閉鎖されたままになっているが、宅地復旧工事の完成後にしか手をつけられないのでしょうか。まずこの復旧工事完了はいつになるのか、当局の計画をお伺いします。更に、折立小学校の本校舎への復帰に向けては、この宅地復旧工事の完了を見据えながら、早め早めに手を打っていく必要があると考えますが、今後どのような計画で進めるつもりなのか、また復旧後の被災者の再建の見込みとまちづくりをどのように進めていくのか、当局のお考えをお伺いします。

 

  1. (3)復興公営住宅について

 被災者は仮設住宅に入居している間に、今後の住居についてどうするか考えているが、海岸寄りの場合は昔から住んでいたこともあり、自力で新居を建築して暮らせるようになる家庭は少ないと考えられる。若い住民はこの際働くのに便利な地域に移住し、高齢者だけが昔からのつながりで残ることが多くなる。そうすると資力もないのに無理には建築しないで復興公営住宅ができたらそこに入居したいと考えるのは自然でしょう。

 奥山市長は大震災からの復興を最優先課題とし、復興公営住宅の整備や防災集団移転事業の加速など、被災者の住宅再建に全力で取り組むことを約束した。これからは、その実行力が問われることになる。被災者の切実な声を受け止め、

どのようにして復興公営住宅の整備を進めようとしているのか、復興公営住宅に係る105号議案及び第7款土木費、復興公営住宅建設事業のかかる債務負担行為の補正に関連してお伺いします。

  

 市は平成26年度までに3000戸の復興公営住宅の完成を目標としているが、公募買い取りで1地区が取りやめになったほか、複数の地区で整備戸数が当初の計画から減少している。また鹿野では当初予定の本年度完成ではなくて、来年7月の入居開始となる予定と聞いているが、計画通りに進行していない状況を当局からお伺いします。また3,000戸の復興公営住宅の整備をどのように進めようとしているのかお伺いします。

 

 4月に実施した入居意向調査では、6月の速報値で約3,900世帯の方が復興公営住宅への入居を希望している。すなわち市の建設目標より希望世帯数が多くなって、被災者の希望通りには提供できなくなる。

そこで、本来の目的から考えて復興公営住宅は自力で住宅再建の困難な方が入居できるように整備を行うのが本来の考えだと思います。また市外で被災され本市に避難している方については、被災自治体の復興事業に参加する形で住居を求めるようにしていただいてはどうかと考えます。

これらの事情を総合的に検討し、供給目標値を新たに設定することについて当局のお考えをお伺いします。

 

  1. (4)生活再建支援について

 大震災から26ヶ月経過し、仮設住宅での暮らしが長期化する中で、自立への見通しを持つ方が出てくる一方、就業や収入面、健康面での課題が顕在化し、将来の住まいや生活に見通しが立てられず、不安を抱いたままの方も多くいます。今後は、一日も早く被災者の生活再建が進み、仮設住宅住まいを解消できるよう、真に支援が必要な方に対しては、確実に後押ししていく必要があると考えます。

 この点について当局の取り組み方についてお伺いします。

 

7.広瀬中学校の過大規模化の解消について

 次に、第110号議案,錦ヶ丘小学校に係る工事請負契約の締結に関する件に関連してお伺いします。

 錦ヶ丘小学校については、愛子小学校の過大規模校化を解消するために学区の一部を分離して設置することとなり、今般、校舎の工事請負案件が提案されました。現在、愛子小学校は40学級規模となっており、錦ヶ丘小学校の建設が目に見える形で動き出すことになり、地域の期待も大きいものがあります。錦ヶ丘地区はここ数年人口の伸びが顕著で、特に若い世代が増えています。このため、子供たちの数も増えていくのは明らかです。

 小学校は分離新設されることになりましたが、小学生もいずれ中学生になります。この地域の中学生は現在広瀬中学校に通学していますが、広瀬中学校もここ数年生徒数の増加が続いており、今後もこの傾向は続くとみられます。今年5月現在で、生徒数1,020人、学級数32学級と過大規模校化しています。仮設校舎も10教室分あり、過密な状態となっています。広瀬中学校についても、過大規模校状態の解消について、これまでも検討を続けているとのことですが、地域からの要望書などもたびたび出ており、そろそろ具体的な判断、すなわち、分離新設の判断をしなければならない時期に来ているのではないでしょうか。お考えを伺います。

 

7 私立保育所施設整備費補助金の追加について

 平成25年度一般会計補正予算案第4款健康福祉費中、私立保育所施設整備費補助金の追加及び債務負担行為の設定に関連して質問します。

 奥山市長は今回の選挙において、待機児童の早期解消を目指し、認可保育所や認定こども園の整備を拡大するとともに、小規模保育や家庭的保育を推進し、保育総量2万人を確保することを公約しました。平成25年度は第2回定例会、第3回定例会と続けて認可保育所の整備関連補正予算が提案されており、認可保育所の整備を加速する奥山市長の決意が感じられます。

 本年度当初に待機児童をゼロにした横浜市では、記者発表資料を拝見すると、昨年度6,100人分の保育の受け入れ枠を拡大した一方で、認可保育所580園中253園で2,096人分の定員割れが生じている。しかもこれは新設保育所の45歳児を除いた数であり、華々しい話題が振りまかれた影では、定員割れにより経営が苦しい保育所があると報道されている。保育所で生活する子供たちにとっては保育の質の確保は大変重要であり、そのためには保育所の経営が安定し、そこで働く保育士の方が保育に専念できる環境が必要である。

 一方少子化の進行は、日本全体の課題であり、本市のみが例外ではいられない必然性がある。当面認可保育所の整備は必要であるが、横浜市の例を見るまでもなく過剰な整備による定員割れを避け、安定した経営による質の高い保育が保たれなければならないと考える。したがって少子化による将来の保育需要の減少も考慮しながら施設整備を進めるべきではないかと考える。

 この点について当局の取り組み方をお伺いします。

 

 現在、国を挙げて待機児童解消を加速し、保育所整備を推進している状況においては、保育士不足の急激な改善は見込めず、今働いている方にできるだけ長く働いていただいた上で、待ち望まれている新卒保育士の方に順次保育に従事していただくように環境を整えることが大切です。また、高度な保育の質を保つためにも保育士の方々が安定して雇用され、知識や技術、経験を積み重ねていくことが必要です。

 そこで市では民間の認可保育施設の保育士の育成について、どのように対応しているか、その実態と今後の方針についてお伺いします。

 

9 宮城県広域防災拠点構想について

 本市の災害対応の基本となる仙台市地域防災計画つきましては、東日本大震災の経験を踏まえ、津波対策や原子力災害対策を拡充するなど大幅な見直しを行ってきました。   

 本件については、第1回定例会において会派として質疑を行い、「本格的な協議はこれから」という趣旨の答弁をいただきました。その後、基本構想・計画の策定に向け、宮城県においては関係機関や有識者による検討会議「宮城県広域防災拠点整備検討会議」が設置されたとのことであり、構想具現化の有力な候補地仙台貨物ターミナルの移転に関する取り組み状況にも深い関心を持って見守ってきた。

 本市はどのように関わり、また現在どのような体制で検討が行われ、どのような議

論がされ、また今後県ではどのように基本構想・計画の策定を進めていくのかお伺い

します。

 宮城県広域防災拠点整備事業は今回の大震災の経験を受けて、沿岸被災地では医療スタッフや機材、薬品の不足等から受け入れ能力を超える状況から、トリアージや域外搬送拠点の機能を充実・強化する必要があることが指摘された。また、防災拠点となる施設、大規模な物資集積拠点が県内になかったことから、効率的な救援・救助が遅れると共に、全国から送られた大量の救援物資の取扱も混乱を極め、被災者への支援が遅れたことからこの整備事業が実施されることになった。

 そこで、今回県全体をカバーする広域防災拠点を宮城野原に整備することになった。県が、宮城野原を選んだ理由について、どのような説明を受けているのか、お示しください。

 

10 第6款経済費に提案された新展示施設建設費及び債務負担行為の認定について

 本事業については、今年5月に基本設計がまとまり、今般いよいよ建設事業に係る補正予算が提出された。当初10数億円と伺った事業費は、施設本体では238千万円、外構工事などを含めると253千万円とのことである。基本設計当時からさまざま検討を重ねた結果であり一定の理解はするが、釈然とし

ないものがあります。

 事業費がこのように高額になったことについてその理由とその財源についてお伺いします。

 

 もとよりこの施設は、国連防災世界会議のために建設するものではないと考えます。そこで交流人口の拡大が我が国人口の減少対策からも非常に重要であることを指摘します。新展示施設は地下鉄東西線との連携のもと、大規模イベントや学術会議の誘致を進め、交流人口拡大の切り札として利活用を図っていかなければ存在意義がない。新展示施設を完成させればよいというだけではなく、施設完成後がこの事業のスタート地点となる。

 平成27年に開催される国連防災世界会議に間に合うよう整備する一方、何よりも会議が成功することが重要であるが、開催中の宿泊・飲食サービス業への経済波及に止どまらず、中小企業などに対する幅広い効果を期待しております。その中で市長選の際の公約では国連防災世界会議開催を大きなビジネスチャンスと捉え、災害関連産業の集積へと繋げるとある。それならば、市内の中小企業は大震災を経験しているからその経験を活かして、災害にも対応した商品やサービスの提供に取り組んで他地域の企業との差別化を図り、市内中小企業の強化につながると考える。

 現在災害関連の産業の核となる企業は本市内にあるのか、災害関連産業の集積に向けて具体的にはどのように取り組むのか市長の計画をお伺いします。また国連防災世界会議開催後、市ではどのような考えで国際会議などのコンベン

ション誘致を図っていくのか今後の方針と見込みについて当局にお伺いします。

 

11 第5款経済費ビジネスチャレンジ誘発・促進事業費について

 今回の選挙において、東北の元気づくりの項で「中小企業支援条例」を制定し、中小企業への支援体制の充実を図ると共に、企業のチャレンジ精神を応援する旨公約した。そして第3回定例会にビジネスチャレンジ誘発・促進事業費を計上した。

 いうまでもなく大震災からの復旧・復興達成後の仙台、また復興需要が収束した後の仙台を見据えて、今からしっかりと支援していく必要があるからである。加えて個々の中小企業の収益のみならず、地域のまちづくりの中で中小企業が果たしてきた公的役割も大きく、その意味でも中小企業の力を復興後においても維持・発展させていくことが重要であると考える。

 中小企業に対する支援について、条例により明確に位置づけることは非常に重要なことである。しかし他市で見られるように、商店街への加盟呼びかけだけの条例では、期待されたほどの効果はないと考える。

 そこで選挙公約の関係もあり条例の方向性について市長にお伺いします。

 

12 水族館事業及び高砂中央公園について

 先般、事業会社より(仮称)仙台水族館の施設概要が発表された。そして2015年春の開業に向けて、本市を含む関係機関との協議を進めているとのことである。わが会派としては、大震災で傷ついた子供たちに夢と希望を与え、観光集客に苦しむ沿岸部の被災地の方々に明るい希望をもたらす待望の施設である、その実現を強く願うものである。その中で高砂中央公園への設置許可や復興特区事業への指定など、いくつかの協議事項があると伺っている。

 そこで全体としてどのような協議項目があり、今後どのようなスケジュールを見込んで、事業会社と協議を進めていくのかその計画をお伺いします。

 次に、水族館の実現のためには施設が設置される高砂中央公園の基本計画を先に固めていく必要があると考えるが、それはどのような進捗状況であるか当局にお伺いします。
 

 この事業では水族館単独開園ではなく、同時に公園オープンができれば集客効果は更に高まると考える。大震災復興を掲げて国庫補助を受けるための手続きは、現実的には困難があるように感じる。

 同時オープンの可能性について当局の見解をお伺いします。

 本事業について一番懸念されるのは周辺の交通渋滞である。年間135万人もの来場者が見込まれる施設であり、交流人口拡大の観点からは大いに歓迎すべきことであるが、そこで生活している周辺の住民の方々には大変重要な問題である。一義的には事業会社がしっかり対処すべきことであるが、公園施設としての設置であり、水族館を誘致した仙台市としてもきちんと対応をとる必要があると考える。

 この点について当局の所見及び具体対策をお伺いします。
 

 今回の大震災の津波で施設の建設地は、2メートル以下の浸水が確認された津波浸水区域に位置しているので、将来起こりうる大津波の襲来に備え、しっかりと対策を講ずることが重要である。そして全ての人に安全・安心のメッセージを強く発信することにより、更なる来場者の確保にもつながると考えます。

 事業会社・仙台市における対策について、それぞれお伺いします。

 

13 第96号議案 平成24年度病院事業会計決算関連新病院の開院について

 市立病院は、仙台医療圏の中核的な病院として、急性期医療を中心とした一般診療、救命救急医療の提供や災害拠点病院としての役割を積極的に担い、市民の生命と健康を支える役割を果たしております。それだけに新病院の早い開院が待ち望まれています。

 

1 新病院の建設工事は昨年1月に着工し、18ヶ月経過しました。被災地域の復興関連事業が加速される中、建設資材不足や作業員の不足などで新病院の工事が遅れていると聞いております。

 新病院の建設工事の進捗状況と遅れの要因と、その遅れの今後の見込み、及

びその対応について、当局にお伺いします。

 

2 開院日の遅れと患者への影響について

 新病院での充実した医療提供体制に期待する患者や市民の方々には、早期の開院が望まれていると思います。

 そこで建設工事の遅れに伴い開院日も遅れるのか、またその為の影響について当局にお伺いします。

 

3 新病院の開院に向けた医師の確保について

 新病院では、基本計画の中で新たに提供する政策的医療として、総合的な小児救急医療、身体と精神疾患を併せ持つ患者の救急医療、地域周産期母子医療センターとしての総合的医療を提供するとしているが、小児科、精神科、産科、などの医師不足が全国的に深刻化しています。

 新病院の開院に向けた医師の確保についての現状と、今後の医師の確保策について当局の取り組み方をお伺いします。

 

 

以上で代表質疑を終わります。

ご静聴ありがとうございました。