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定例会代表質問に対する回答
1 残り任期一年の市長の所感について これまでの市政運営とこれからの一年についてお答えします。 私はこの3年の間、まちづくりの中心は「人」との思いの下、109万市民からの負託に応えるべく、様々な立場からの多様なご意見に耳を傾けながら政策判断を重ね、その都度、市議会における丁寧な説明はもとより、記者会見の場などを通じた迅速な情報発信に努めてまいりました。また、国に対しては基礎自治体として、適宜要請行動を実施し、県との関係においても、ときには知事と共同で市民・県民の皆様に向けた要請を行うなどの連携を図ってきたところです。 今後とも、春先から続く一連の新型コロナウイルスへの対応に注力し、ウィズコロナともいわれる中での市民生活の安全安心、地域経済の回復・発展に全力を挙げてまいります。 併せて、あの東日本大震災から10年を迎える中で、新たな総合計画の策定を進めてまいります。これからの市政においては、復興での経験を最大限に生かしながら、様々な方々の知恵や力を結集し、挑戦を重ねることが一層重要になるものと認識しております。 残された任期におきましても、市議会の皆様とのご議論や国をはじめ関係機関との連携を深めながら、市民の皆様とともに、仙台の確たる未来に向けたまちづくりに向けて全力で取り組んでまいりたいと存じます。
2 財政運営について (今年度の決算見込みについて) 今年度の決算見込みについてでございます。 新型コロナウイルス感染症の影響により、市税の徴収猶予や施設使用料の減免、全国的な経済情勢の悪化に伴う地方消費税交付金の減少等が見込まれ、現時点において約55億円の収支差が生じる見通しとなっております。 今年度におきましては、市民の安全安心の確保や地域経済の回復などに向けた感染症対策を着実に進めるため、引き続き、事業見直しに取り組むとともに、国が新たに創設する市税の徴収猶予に係る特例的な地方債などの活用も図り、必要な財源を確保してまいりたいと考えております。
(令和3年度予算編成について) (今後の財政運営について) 令和3年度の予算編成と今後の財政運営についてでございます。 本市の財政は、少子高齢化の進行に伴う社会保障関係経費の増加などにより硬直化が進んでいることに加え、今般お示しした財政見通しでは、感染症の影響に伴う市税収入の大幅な減少等により、令和5年度までの3年間で約1,162億円の収支差が見込まれるなど、極めて厳しい状況にあると認識しております。 一方で、新総合計画の初年度となる令和3年度におきましては、基本計画中間案に掲げる4つの都市像の実現に向けた中長期的な視点での取組みも重要となってまいります。 さらなる感染症対策も想定しながら、国に対し財政支援の充実について働きかけを行い、事業見直しによる財源の捻出や予算の厳選重点化を図ることはもとより、更なる基金の活用も視野に入れ、来年度予算編成に着手してまいります。 さらに、地域経済の持続的な成長による税源涵養や不断の歳出削減等に着実に取り組むことにより、このコロナ禍における困難な財政状況を乗り越え、持続性のある財政基盤の構築につなげてまいりたいと存じます。
3 産業政策の方向性について (農業政策の方向性について) 農業施策の方向性についてのご質問にお答えいたします。 農業は、食糧生産はもとより環境保全や地域コミュニティの維持など多面的な機能を有する重要な産業であると考えております。 一方で、農業従事者の高齢化や担い手不足など様々な課題が山積している現状にあり、従来型の農業だけでは将来的に産業として先細りになっていくという危機感も強く感じているところでございます。 本市では、国営ほ場整備事業が行われている東部地区を中心に、将来を見据えた法人化や作物のブランド化等の取組みが進んでおります。今後は、それらの取組みに加えIoTやAIなど新たな技術を活用した省力化の推進や、新商品開発など6次産業化に向けた取り組み等を本格的に進めていく必要があると考えております。 今般のコロナ禍によって、食糧の安全保障、安定供給の重要性が世界規模で認識されたところですが、日本有数の農業地帯である東北地方の中心都市である本市におきましても、農業の持続的発展は極めて重要なテーマでございます。先進技術の導入等による生産性・収益性の向上や東北地方のポテンシャルを生かした広域的な取り組みなども視点に入れながら、次世代につながる産業となるよう取り組んでまいりたいと存じます。
(東北連携について) 東北連携に関するこれまでの総括と今後のビジョンについてでございます。 東北地方が人口減少に直面する中、東北に支えられてきた本市として、東北の発展のために各自治体と連携し、求められる役割を積極的に果たしていくべきとの認識のもと、平成28年度に東北連携推進室を設置いたしました。 これまで、東北絆まつりの開催や広域観光プロモーションをはじめ、東北の食材をテーマとしたカフェの設置、観光案内所のネットワーク化など、東北の各自治体との連携を深めながら、魅力発信や周遊促進に取り組んできたところであり、交流人口の拡大や地域経済の活性化に貢献できたものと考えております。 今後は、この間培ってきた顔の見える関係を活かし、東北の各自治体のニーズを伺いながら、各分野の関係部局と情報共有を図ることによって、東北連携をさらに前へと進めてまいりたいと考えております。
(東北DCの見直しについて) 東北デスティネーションキャンペーンの位置づけ等の見直しについてです。 東北DCは、東北観光のブランド化を図り、将来にわたる東北への誘客を目指す取り組みですが、今般のコロナ禍に伴い、疲弊した東北の観光関連産業の再生という新たな役割が加わったものと認識しております。 具体的な取り組みとしては、域内観光への関心の高まりを受け、東北在住の方々に向けた情報発信を強化するとともに、全国に向けては、東北の安全性や豊かな自然などの癒しの要素をアピールするなど、東北への誘客に工夫を凝らしてまいりたいと考えております。 今後とも、コロナ禍の収束状況やインバウンドの回復状況、東京オリンピック・パラリンピックの開催など、様々な想定を踏まえながら、柔軟かつ的確に対応できるよう、各自治体やJR東日本などの関係機関との連携を密にして、万全な準備を整えてまいります。
(コロナ禍における観光業への支援について) コロナ禍における観光関連産業への支援についてでございます。 本市では、新型コロナウイルス感染症による地域企業への影響を最小限に抑えるため、これまで5次にわたる経済対策を打ち出してまいりました。 特に多大な影響を受けている観光関連産業については、6月以降、仙台市民を対象とした「今こそ行こう 秋保温泉・作並温泉宿泊キャンペーン」や、市内で開催する企業内会議・研修会等への助成などを実施してきたところでございます。現在は、東北を対象とした「Travel仙台 選べるトク旅キャンペーン」や、東北を周遊する旅行商品の造成・販売に向けた準備を進めるとともに、大規模な屋外イベントや文化芸術公演の再開を後押しするための支援にも取り組んでおります。 これら一連の事業を着実に実施し、交流人口の回復を図ることにより、本市産業の重要な柱の1つである観光関連産業を支援してまいりたいと存じます。
(交流人口拡大に向けた考え方について) 今後の交流人口拡大に向けた考え方についてでございます。 本市では、昨年策定した「交流人口ビジネス活性化戦略」に基づき、交流人口拡大の取り組みを進めておりますが、今般の新型コロナウイルス感染症に伴い、インバウンドはもとより広域の移動が制限されたことなどにより、大きな影響を受けております。 戦略推進にあたりましては、例えば、体験プログラムについて、感染症対策やアウトドアのニーズの高まりなどへの対応が求められるなど、今後は、観光に対する市民意識の変化や新しい生活様式への対応、また域内観光の推進などの視点が重要になるものと認識しております。 こうしたことから、まずは現戦略について、観光関連事業者の方々のご意見も伺いながら、必要な見直しを進めるとともに、来年度には、コロナ収束後を見据えた次期戦略の策定に取り組み、交流人口回復に向けた動きを本格軌道に乗せてまいりたいと考えております。
4 新基本計画について (計画期間の理由と時代の変化への対応について) 基本計画の計画期間と時代の変化への対応に関するご質問にお答えいたします。 私は、価値観の多様化や課題の複雑化が進む中でのまちづくりにあたっては、中長期的なまちのビジョンを市民の皆さまと共有し、目指す都市の実現に向けて様々な挑戦を重ねていくことが重要であると認識しております。 一方、今般のコロナ禍のように、刻一刻と変わりゆく状況を見極めながら対策を講じていくといった、社会変化への柔軟な対応も求められるものと存じます。 このような観点のもと、今般お示しした中間案におきましては、計画期間を10年と定め、安全安心で、自然豊かな「杜の都・仙台」の優位性を活かしたまちづくりの方向性を掲げるとともに、テクノロジーの活用などにより変化への対応力を高める必要性についても織り込んだところでございます。 今後、基本計画の策定と併せて、概ね3年ごとの具体的な事業を示す実施計画の検討を進めるとともに、重要性や緊急性を勘案した予算編成に努めながら、社会情勢に応じた市政運営に努めてまいりたいと存じます。
(地域づくりの方向性について) 新たな基本計画における青葉区の地域づくりの方向性についてでございます。 計画の策定にあたりましては、人口減少や少子高齢化の進展などの全市的な共通課題に加え、今後の地域づくりに向けて、それぞれの地域の状況を念頭に置きながら検討する必要があると考えております。 こうしたことから、都心から県境まで多様な環境を持つ青葉区といたしましては、市民の皆様とのワークショップなどでのご意見も参考に「賑わいと交流」、「認めあい、支えあい」、「安全・安心」、「自然・歴史・文化」をキーワードとした4つの方向性をまとめたところでございます。 事業の展開にあたりましては、地域づくりの重要なパートナーである町内会を始めとする地域団体との連携・協働をより一層深めてまいります。また、宮城地区の西部で取り組んでいるICT等の先端技術を活用した事業を含め、「新しい生活様式」に沿った施策を進めてまいりたいと考えております。 地域特性を踏まえたまちづくりには、それぞれの資源や強みを生かすことが重要でございますので、引き続き機会を捉えて市民の皆様からアイデアをいただくとともに、議会や審議会のご意見を伺いながら、基本計画の策定や今後の事業展開に向け、取り組みを重ねてまいりたいと存じます。
5 次期「杜の都環境プラン」について (輝く!グリーン&クリーンプロジェクトについて) (仮称)グリーンビルディング建築整備方針についてでございます。 次期「杜の都環境プラン」中間案では、本市が都心再構築を進めるにあたり、環境に配慮した魅力的な都市空間の創出を図ることをねらいとして、建物全体の環境性能が高まるよう最大限配慮された、いわゆるグリーンビルディングの整備を促進するための本市独自の方針を策定することとしております。 本方針につきましては、次期環境プランのスタートと合わせ、令和3年度からの施行を目指したいと考えており、今後、従来の環境影響評価制度との関係性の整理も含め、環境影響評価審査会等の意見を聴きながら、杜の都としての都市ブランドをさらに高められるよう、具体のスキームについて検討を進めてまいります。
(エネルギー循環プロジェクトについて) エネルギー循環プロジェクトについてでございます。 本プロジェクトでは、エネルギーの地産地消や、地域資源を循環させる仕組みを構築することをねらいとして、木質バイオマスや食品廃棄物等について、再生可能エネルギーとしての活用を推進することとしております。 本市におきましては、木質バイオマスや食品廃棄物による発電事業が複数計画されており、こうした機会を捉え、事業者や関係部局等と連携・調整を図りながら、これまで利用されていなかった間伐材や食品廃棄物等の資源をエネルギーとして活用し、循環させるための仕組みづくりを進めてまいります。
(みやぎ環境税について) みやぎ環境税に関するお尋ねにお答え致します。 みやぎ環境税につきましては、宮城県から5年間延長の方針が示されたことから、8月の下旬に私が担当の遠藤副知事に直接お会いしたうえで、本市への交付金を増額すること、あるいは県実施事業による本市への活用状況を毎年度明らかにすること等を要望したところでございます。 県からは、令和元年度に、宮城県が実施した事業で、本市の市民や事業者のために活用された金額は約3億3千万円との回答がございました。これに本市への交付金約9,600万円と合わせた本市への還元額は約4億2千万円であり、納税額に対する割合は約46%と、一定程度、本市において活用されていることが明らかになったものと考えてございます。 引き続き、宮城県におきましては、地球温暖化対策など喫緊の環境課題に対しまして、みやぎ環境税の有効活用を図っていただくとともに、仙台市における活用状況の確認や交付金の増額につきましても、機会を捉えて協議してまいりたいと考えております。
6 診療所PCR検査等の支援について (課題認識と事業の目的及び効果について) 市内診療所におけるPCR検査等への支援の目的と効果等についてでございます。 現在、発熱患者の受入れを行っている各診療所においては、患者動線の分離などの工夫をしながらご対応いただいております。しかし、今後、インフルエンザ流行により発熱患者が急増すると、各診療所における対応が困難になるのではないかと考え、これまで仙台市医師会と協議を重ねてまいりました。市医師会にも、多数の発熱患者の診療に応じることは、院内感染リスクを増大させるという懸念がございました。 このたびの診療所が行うPCR検査等への支援は、診療所スタッフの安心に最大限配慮しつつ、発熱症状がある患者が円滑に受診できる体制の確保を目的に実施するものでございます。 唾液によるPCR検査が行政検査として認められたことも受け、あらかじめ検査を行うことにすれば、新型コロナウイルス感染症の拡大防止とともに、発熱患者に対応する診療所のリスク低減にも繋がるものと考えております。
(速やかな事業の開始について) 速やかな事業の開始についてでございます。 インフルエンザの流行期を控え、発熱患者が医療機関を受診できる体制を早期に整えていくことが重要と認識しております。 診療所でのPCR検査については、7月に開始した発熱患者への情報提供にご参加いただいた診療所と同数程度の診療所にご参加をいただければと考えております。ご協力いただける診療所の確保に努めますとともに、早期の実施が図れるよう、引き続き、仙台市医師会と協議してまいりたいと存じます。
7 救急活動時の感染症対応マニュアルについて 消防局では、これまでも様々な感染症に対しまして、関係省庁からの通知や本市の救急活動基本指針などに基づき、救急隊員への感染防止対策を講じてまいりました。 今般、新型コロナウイルス感染症への一連の対応も同様に進めてまいりましたが、確実な感染防止を図るためには、組織的な管理体制や隊員への継続的な教育体制の構築、また、資器材の備蓄体制や事故発生時の対応の整理など、幅広い対策を一体的に進める必要があることを、改めて認識したところでございます。 このため、年内に医師や感染症の専門家を交えた検討会を立ち上げ、様々な感染症に対応した、総合的なマニュアルの策定に取り組んでまいりたいと考えております。 今後とも、より一層の対策強化を図るとともに、様々な感染症に適切に対応できる救急活動体制を維持することで、市民の安全安心の確保に努めてまいります。
8 中学校運動部活動における感染症対策について (屋内での活動の現状と対策について) 屋内の運動部活動についてでございます。 部活動に当たっては、基本的な感染症対策として活動前後の健康観察や手洗い、使用した用具の清掃等に努めているところです。 また、各競技団体が作成した感染防止に係るガイドラインも踏まえ、例えば、武道においては、7月中旬まで生徒間の距離を確保した個人練習を中心に行い、状況を見ながら対面稽古や練習試合に慎重に移行するなどの配慮を行っているほか、熱中症対策と併せ、扇風機も活用しながら換気を常時行い、密閉状態を避ける工夫も行っております。 今後とも適切な感染症対策が講じられるよう、学校に働きかけてまいります。
(練習試合や遠征の実施について) 練習試合や遠征の際の留意点についてでございます。 他校との練習試合の際には、健康観察や手洗いの徹底などに加え、大声での応援を行わないことや参加人数を制限する等の密を避ける取組みが必要と考えております。 また、遠征におきましては、遠征先の感染状況を把握するとともに、移動や宿泊などにおいては、生徒間の接触機会が多くなることから、換気の徹底や会食時の飛沫感染防止策を講ずることも重要と認識しております。 今後も各学校に対し、こうした留意点を適宜示すとともに、練習試合等が適切に実施されますよう、学校からの相談に応じ、支援してまいりたいと存じます。
(新人大会開催予定について) (新人大会開催にあたっての感染防止対策について) 新人大会における感染防止対策についてでございます。 新人大会につきましては、来月10日、11日に開催する予定で準備を進めております。多くの人が集まることによる感染拡大リスクを避けるため、競技会場の分散のほか、保護者等の観覧者は入れず、無観客とする方向で、仙台市中学校体育連盟と調整しております。 また、参加する生徒や顧問等、大会運営関係者すべてに、2週間前からの健康状態や当日の体温等を記載した健康チェックシートの提出を求めるほか、競技前後の手洗い等を徹底させるための石けんや消毒用アルコール、非接触型体温計を会場ごとに配備する予定です。 このほかにも生徒同士の距離の確保、競技会場の換気の徹底等、適切な感染防止策を講じることにより、安全、安心な大会運営にに取り組んでまいりたいと考えております。
9 乗合バス事業に係る県補助金の対応について バス事業者への県補助金についてでございます。 乗合バス事業につきましては、緊急事態宣言下の外出自粛要請による大幅な乗客減の中、運行を維持したことで経営状況が悪化しております。 これを受け、宮城県バス協会として、6月に交通事業者への経営支援を県に要望し、その結果設けられた「宮城県定時定路線・生活維持支援金」制度でございますが、7月下旬に詳細が示されたところ、公営事業者を除外する規定が盛り込まれ、本市交通局が対象外となっていることが明らかになったものでございます。 本市としては、公営が除外される理由が明らかではなく、県に制度の再考を求めるため、8月11日、本市の立場を示すべく、知事にあてた市長からの要望書を私が持参し、申し入れを行ってまいりました。席上、県からは財源不足の状況で公営事業者を除外した旨の話がありましたが、市営バスは、仙台市民のみならず多くの県民の皆さんにも通勤・通学等でご利用いただいていることを強くお伝えしたところです。 未だコロナ禍の収束が見通せない中、公共交通事業者として、市営バスの運行を確保するため、引き続き様々な努力を重ねてまいりたいと存じます。
10 新せんだい都市交通プランについて 次期せんだい都市交通プランについてでございます。 本市ではこれまで、十文字型の地下鉄による骨格交通軸の整備などにより、公共交通を中心とした交通体系の構築を進めてきたところでございますが、少子高齢化や人口減少など、今後、公共交通を取り巻く環境は大きく変化していくものと認識しております。 現在策定を進めている「せんだい都市交通プラン」におきましては、引き続き鉄道にバスが結節する交通体系づくりを進めますとともに、都心直行型バスが主な移動手段である地域において、利便性を高めるバス幹線軸の形成や、地域ニーズに応じた市民協働による地域交通の確保を進めてまいりたいと考えております。 こうした考えのもと、目指す交通体系の実現に向けて、交通事業者などとの合意形成のもと「地域公共交通計画」を策定し、路線バスや地域交通など、公共交通の役割分担を明確にするとともに、バスの走行性向上、鉄道駅の結節機能向上などにも着実に取り組むこととしており、引き続き持続可能な公共交通ネットワークを構築し、暮らしやすく活力ある、機能集約型まちづくりを推進してまいります。
11 浸水対策について 浸水対策についてのご質問でございます。 本市ではこれまで、東日本大震災の影響で地盤が沈下した東部地域などの雨水排水施設の整備を進め、今年4月には原町東部雨水幹線の供用を開始したところでございます。また、仙台駅西口地区では雨水幹線の実施設計を進めており、今年度から工事に着手する予定としております。 これらハード対策を進めるとともに、令和元年東日本台風の被害を踏まえ、浸水履歴マップを更新したほか、土のうステーションの拡充を図るなど、ソフト面の対策もあわせて進めております。 今後の取り組みにつきましては、全庁的な組織である雨水対策委員会の中で、横断的・総合的な対策を検討・推進することとしておりまして、これまでの浸水状況の分析等に基づき、雨水管きょ、ポンプ場等の施設整備に加え、スポット対策としての側溝の整備・改修や、河川や水路等の浚渫など、地域ごとの特性に応じた効果的な手法について検討しているところでございます。 今後とも、市民の皆様の安全・安心に資するよう、浸水被害の軽減を図れるような対策をしっかりと進めてまいりたいと存じます。
12 ガス事業民営化について (保安の確保及び関連事業者との連携について) 民営化における保安の確保と関連事業者との連携についてでございます。 本市ガス事業は、公営として全国最大規模で、かつLNG基地を保有するなど、これまでの他都市の民営化の事例にも増して、専門的な技術などを円滑に継承し、安定供給及び保安を確保することが不可欠でございます。 そのため、募集要項において、ガス導管事業者の資格や保安水準の維持を必須条件とし、また、長年ガス事業を支えてきた地元の事業者の皆さまとの連携継続を求めていくなど、これらを評価項目にも位置付けながら、民営化後も確実に安全・安心が確保されるよう進めてまいります。
(譲渡価格と評価基準について) 民営化における譲渡価格と評価基準についてです。 最低譲渡価格につきましては、民営化後のガス事業の経営に加え、新たな事業展開に伴う付加価値分も考慮するなど、複数の手法による企業価値を、民営化推進委員会で専門的な視点から総合的にご議論いただき、最低ラインとして設定したものでございます。 あわせて、応募者に将来の価値を高く評価いただけるよう、提案価格が高いほど価格点の上限が増加するといった仕組みを取り入れるなど、適切に評価を行えるよう工夫をいたしたものでございます。 また、評価基準につきましては、提案価格に全体の配点の3割を配分し、安定供給及び保安体制を大前提としつつも、市民サービスの向上や地域経済の活性化にも配慮するなど、全体のバランスを考慮し作成しておるところでございます。 コロナ禍において、投資先をより選別する動きが強まっているものと認識していますが、本件については多くの事業者の皆さまから高い関心が寄せられているところであり、複数の事業者からの提案を期待しております。
(民営化の推進について) ガス事業の民営化についてでございます。 本市のガス事業は、昭和16年に公営となって以降、市民の皆さまへ安全・安心なガスを届け続け、仙台圏域の発展に大きな貢献をしてまいりました。 この先も、ガスをお使いの皆さまに快適な暮らし、これを提供し続けることが求められますが、一方で電力・ガスの小売完全自由化による競争の激化、今後の人口減少による家庭用ガス需要の減少、そして新型コロナウイルス後の生活様式の変化ですとか働き方の変化など、これまでにないスピードでエネルギー事業者を取り巻く環境は変化し続けております。 安定供給や保安の確保といったインフラ事業者としての責務に加えまして、日々変化する経営環境に迅速に対応して、時代にあったサービスを提供し続けるためにも、民営化を進めることが必要であると認識をしております。 将来、新たな事業者から様々なサービスが提供され、市民の皆さまの暮らしがより豊かなものになるよう、令和4年度の事業譲渡に向けて力を尽くしてまいります。
【再質問】 2 財政運営について (令和3年度予算編成について) (今後の財政運営について) 財政運営についてでございます。 本市の未来を見据えたまちづくりを確かなものとしていくためには、安定的な歳入を確保したうえで、臨時の財政需要に対しても的確に対応しうる財政基盤を構築していくということは重要であると考えております。 令和3年度の予算編成におきましては、不断の事業見直しをはじめ、歳入・歳出の両面におけるあらゆる方策を講じてまいりたいと考えております。 あわせて、感染症の収束後も見据えて、地域経済の成長に向けた後押しや、まちづくりへの投資など、まち全体の活力を生み出して、将来にわたって財源の涵養につながる施策も積極的に進めていかねばなりません。このようなことを合わせて行いまして、厳しい財政状況を乗り越えて、本市の目指す都市像の実現に向けて力強く進んでまいりたいと思います。
3 産業政策の方向性について (東北連携について) 東北連携についてお答え申し上げます。 今後さらに東北地方の人口が減少していくことが見込まれる中で、この地域の持続的な発展のためには、東北連携の取り組みというのは、極めて重要であると考えております。 本市は、東北地域内のゲートウェイでございます。そしてまた、東北における大きなマーケットでもございます。さらには、産業、教育、交通など、様々な都市機能が集積する拠点であります。現在、コロナ禍で厳しい状況にある一方で、地方に改めて目も向いていると、このような変化を感じておりまして、この変化をチャンスと捉え、本市が東北をけん引していく役割を果たしていくべきと認識をしているところです。 このため、現在策定中の仙台市基本計画の中間案におきまして、「TOHOKU未来プロジェクト」を掲げて、観光分野に限らずに、地域経済をけん引する企業の輩出など東北を舞台にイノベーションを生み出す施策や、農林水産業の活性化など仙台・東北の産業の成長を支える施策にも取り組んでいくこととしているところでございます。 今後とも、より広範な分野での東北連携を全庁的に推進していくことで、地域経済を活性化させ、東北の魅力を国内外に広める役割も担ってまいりたいと、このように考えております。
5 次期「杜の都環境プラン」について (エネルギー循環プロジェクトについて) 次期「杜の都環境プラン」中間案の「エネルギー循環プロジェクト」に係る再度のご質問にお答えいたします。 議員ご指摘のとおり、エネルギー循環に係る先導的なモデルを構築し、これを広く発信することによりまして、仙台はもとより東北の活性化につなげていくという視点は大変重要であると認識いたしております。 将来的には、このような点も見据えながら、まずは、エネルギー循環に向けた仕組みづくりを進め、目に見える成果につながりますよう、鋭意取り組んでまいりたいと考えております。
9 乗合バス事業に係る県補助金の対応について 乗合バス事業に係る県補助金の対応についてでございます。 道府県の補助制度から政令指定都市が除かれるということがあるわけでして、この問題は、従前より多々生じておりまして、大都市制度の中の議論でも大きな論点の一つとされてきております。 それに対しましては、道府県民税を等しく納めている指定都市の住民からすれば納得のできるものではございませんで、是正を求めるというのが、私たち政令指定都市の立場だと、このように考えます。本市といたしまして、それを明確に示すために、先程交通事業管理者からご答弁をした要請行動を行ったものでございます。 今般の交通事業者に対する県の補助金に関しましては、路線バスやタクシーに加えまして、本市で設けた制度の対象としていない鉄道やそれからまた運転代行など範囲が広うございます。中小の事業者も多くあって、このため、予算上の判断という県側の事情というのも理解できないわけではないのですけれども、一刻も早く対応が求められることとはいえ、やはり事前に調整が必要であったとこのように思っております。 今回のご議論を踏まえまして、今後、私、知事とお会いする機会を通じて、申し上げるべきことは申し上げてまいりたいと、このように存じます。 |