仙台市議会委員 加藤和彦のHP。活動及びプロフィールなどのご紹介。

 

令和3年第1回定例会 予算等審査特別委員会

 

1 本市の農業について

 

(1)現状と課題について

〔質疑の要旨〕

農業は全国的に極めて厳しい状況にあるが、本市の農業をめぐる現状と課題について、当局はどのような認識を持っているのか伺う。

〔答弁の要旨〕

農業は、食料の安定供給をはじめ国土保全などの多面的機能を有しており、本市の基幹的な産業の一つと認識しております。

一方、農業を取り巻く情勢は、全国の状況と同様に、本市におきましても、従事者の減少や高齢化が進み、農業の担い手不足が深刻化するとともに、農産物価格の低迷や耕作放棄地の増加など、多くの課題があるものと承知しております。

 

(2)本市スマート農業の評価と実態について

〔質疑の要旨〕

本市におけるスマート農業への評価と実態について伺う。

〔答弁の要旨〕

スマート農業の評価と本市における実態についてでございます。

スマート農業は、ロボット技術、AI,IOT等を農業に取り入れることによる大幅な省力化や生産性・品質の向上等を目指すものであることから、現在の農業が抱える課題を解決するための有効な手段の1つであると認識しております。

本市における実態でございますが、GPSを活用したトラクターの自動操舵システムや水田に設置したセンサーから得られるデータを活用した栽培管理、出産間近の牛への体温計測器設置などの導入事例があり、導入した農業法人等におきましては、生産性の向上や労働負荷の軽減につながっていると伺っております。

 

(3)スマート農業実証プロジェクトについて

〔質疑の要旨〕

スマート農業実証プロジェクトの概要と課題を含めた実施状況、併せて新年度に本市は応募したのか伺う。

〔答弁の要旨〕

スマート農業実証プロジェクトは、先端技術の実証と、導入による経営への効果を検証することにより、スマート農業の普及拡大を図ることを目的として令和元年度に開始されたものであり、現在全国148地区で実証が行われております。

本市においては令和元年度に、農業園芸センターを運営する仙台ターミナルビル㈱を中心に東北大学や宮城大学等で構成するチームのプロジェクトが採択され、ロボット技術やICT等を活用した果樹栽培により、栽培管理時間の3割削減や単位収量あたりの販売収入6割向上などを目標として2ヶ年にわたり実証実験を行っているところでございます。

なお、本市としまして新年度のプロジェクトには新規案件がなく応募いたしておりません。

 

(4)スマート農業が進まない理由について

〔質疑の要旨〕

本市においてスマート農業が進んでいない理由は何か伺う。

〔答弁の要旨〕

本市において、スマート農業がなかなか普及しない理由としましては、一般的に導入にあたっての初期投資が高額であり、費用対効果の見通しがつきづらいこと、新しい技術を使いこなす人材の育成や、ソフトウェア等の規格の標準化が進んでいないこと等が挙げられます。

その他、本市特有の事情としまして、東日本大震災において東部沿岸地域の農業用機械等が一度に失われ、その後に国の事業等を活用した大型農業用機械の導入を行ったため、その更新期を迎えるまでは新たな設備投資を控える農業者が多いことも一因であると考えております。

 

(5)スマート農業の推進ついて

〔質疑の要旨〕

本市のスマート農業の諸課題を地域農家等と一体となって取り組んでいくべきと思うがその所見を伺う。

〔答弁の要旨〕

本市としてのスマート農業普及への対応でございます。

導入コストの課題に関しましては、国や県の補助事業の活用のほか、機械の共同購入・共同利用による負担の分散などの方策も含めて、導入を検討されている農業者の皆様へ丁寧な説明を行ってまいります。

また、より操作のしやすい機器類の開発やソフトウェアの標準化等につきましては日進月歩でありますことから、本市としても最新情報の把握に努めますとともに、農業用機械の更新時期を迎えた農業者の方を中心に、様々な機会を捉え情報提供してまいりたいと存じます。

 

(6)スマート拡大に向けた農業高校等との連携について

〔質疑の要旨〕

スマート農業の拡大に向け、将来の農業の貴重な担い手となる学生が学ぶ農業高校や宮城大学との連携が有効であると考えるが所見を伺う。

〔答弁の要旨〕

農業高校等との連携に関してでございます。

スマート農業の拡大や、将来の農業の担い手確保という意味でも、農業を専門とする高校や大学等との連携は、大変重要なことと認識しております。

本市におきましては、令和元年度から、学生が夏休み期間などに、市内の農業法人で農作業の体験を行う短期インターンシップや、農業大学校等で開催するセミナーへの農業法人の出展の支援などを行って参りました。

今後、ドローン等の先端機械の導入や、雇用就農の拡大なども見据え、教育機関との更なる連携を図ってまいります。

 

 

2 東北DCについて

 

(1)農業を活用した観光コンテンツの創出について

〔質疑の要旨〕

農業を体験型の観光コンテンツと捉え、農作業に従事してもらいながら交流人口を拡大することが可能だ。「仙台市交流人口ビジネス活性化戦略」の中でも「日本一の体験プログラム創出」を掲げており、一石二鳥の取組みと考えるが、当局の見解を伺う。

〔答弁の要旨〕

果物や野菜の収穫の他、野菜の植え付けや田植え、稲刈り体験など、農作業を通して、旅行者に仙台や東北の魅力を実感していただくことは、誘客促進にもつながるものと認識しております。

こうした視点から、農業を素材とした様々な体験プログラムの発掘・創出に取り組んでおり、今後も、プログラムのさらなる充実に努めてまいりたいと考えております。

 

(2)次期戦略における農業ツーリズムの位置付けについて

〔質疑の要旨〕

戦略は、来年度改訂するとのことだ。今年度中にアフターコロナを見据えた新たな戦略を検討し、コロナ収束段階ですぐ実行できるようすべきだった。

4月から1年かけて考えるなら、新たなツーリズムやこれまでなかった付加価値を生み出してほしい。

農業をコンテンツとした新たなツーリズムについて、次期の戦略で打ち出すべきだが、当局の考えを伺う。

〔答弁の要旨〕

農業体験や農泊、農家レストランなど、農業をコンテンツとしたツーリズムは、食や農業に関する消費者意識の高まりから、重要な体験コンテンツになってきていると認識しております。

また、コロナ禍によってアウトドア系のコンテンツの人気が高まっている中、農業ツーリズムには様々な可能性があるものと考えております。

来年度策定を予定している次の戦略におきましても、関係事業者の方々のご意見なども伺いながら、その活用について十分検討してまいりたいと存じます。

 

(3)農と食の分野での東北連携の取組みについて

〔質疑の要旨〕

東北DCではしっかりとしたコンテンツを作っていくことが大切であり、その一つが「農」と「食」である。本市単独で勝負するのではなく、東北各地としっかり連携し、国内外にアピールしていくべきである。今後、「農」と「食」の分野での東北連携の取り組みをどのように展開していくのか伺う。

〔答弁の要旨〕

2019年の旅行会社のアンケートによると、「食」を目的に旅先を選ぶ方が約6割との結果が示されており、「食」は観光客を引き付ける重要なコンテンツの一つと認識しております。

本市ではこれまでも、東北の「食」と収穫体験などの「農」を組み合わせたツアーの販売や生産者によるイベントの開催等を通じ、東北の魅力の発信に努めてきたところです。

今後は、コロナ禍での新しい旅のスタイルとして、自宅に居ながらにして、観光地だけでなく、地元の食や美酒なども体験できるオンラインツアー等を生産者と連携して実施するなど、「農」や「食」に関する東北連携の取組を展開して参りたいと存じます。

 

(4)人材育成の状況と今後の活用について

〔質疑の要旨〕

コンテンツを活かし、付加価値を生み出すのは「人」である。これまでDCを含め、東北連携推進のために行ってきた人材育成の取り組みは何か。併せてDC後に、これまで育成した人材をいかに活用していくつもりなのか伺う。

〔答弁の要旨〕

東北連携のための人材育成の取組につきましては、東北DCの開催を見据え、東北の観光案内所職員を対象にスキルアップと相互案内のための研修会を実施しているほか、観光や食産業に関わる方々を対象に旅行商品の造成販売に関する意見交換会を開催するなど、各自治体や関係事業者等と連携しながら進めているところです。

東北DCにおいては、これらの人材育成の成果が発揮されるものと期待しているところであり、DC後においても、さらなる東北への誘客と周遊促進に繋げていくことができるよう、こうした皆様との協力関係を深めてまいりたいと考えております。

 

(5)東北DCの経験の今後の東北連携での活用について

〔質疑の要旨〕

本市は、東北の中心都市として、しっかりとしたビジョンと戦略を持ち、イニシアチブを発揮していかなければならない。様々な分野での東北連携を促すことを目的として、それぞれのコンテンツを連携させ、とりまとめて国内外に発信していくのは東北連携推進室の役割である。

DCの経験を今後の東北連携にどのように生かしていこうとしているのか、文化観光局長へ伺う。

〔答弁の要旨〕

東北地方が人口減少に直面する中、本市が東北の各自治体と手を携え、東北が全体として持続的に発展していくための役割を果たしていくことが重要であると認識しております。

今回の東北DCは、まさに1つの実践的なプロジェクトとして東北が一体となって観光プロモーションを展開する貴重な機会です。

この経験を東北への更なる観光誘客の取組に生かしていくとともに、観光にとどまらない東北の魅力を発掘し、効果的に発信することにもつなげていけるよう、東北連携の取組を進めてまいりたいと考えております。

 

(6)農と食の分野での連携について

〔質疑の要旨〕

これからの東北連携に特に求める分野は「農」と「食」の分野での連携だ。東北全体の特産物、食文化を集めれば、世界にも通用するものとして、東北全体の基幹産業への成長が期待できる分野だ。ITの活用で「儲かる産業」としての農業が確立されればさらに優秀な人材が集まり、後継者不足は解消されるはずだ。是非、メイド・バイ・ジャパニーズじゃなく、メイド・バイ・トウホクを目指しませんか。東北のリーダーである本市が積極的に取り組むべきと思うが、これらの点に関する市長のご認識を伺う。

〔答弁の要旨〕

東北における農業は食の安全保障という意味でも重要であると認識しております。

農業をいわゆる「儲かる産業」としていくためには、スマート化や優秀な人材の確保が重要な課題と認識しております。

東北の魅力ある「食」を、地域の生産者や食文化などの背景まで含めたストーリーとして効果的に発信することで、「食」のみならず東北や農業への関心を高揚させることいもつながっていくと思いますし、投資や人材を呼び込むことにもつながると考えております。

東北の玄関口であり最大の消費地でもある仙台市が率先して発信に取り組んでいくことが重要であり、これまで、東北の食材をテーマとした発信拠点づくりやツーリズムの促進などに取り組んできたところです。

今後とも、食と農の分野での各自治体との連携を十分意識しながら、東北の魅力を国内外に広く発信し、おいしいものをたくさん作っている、たくさん提供している東北の産業振興に貢献して参りたいと存じます。