仙台市議会委員 加藤和彦のHP。活動及びプロフィールなどのご紹介。

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宮城県中央児童館の移管について


さて最後に、宮城県中央児童館の移管に関してお伺いします。

太白区向山にあるこの施設は、昭和40年に設置されたものであり、67653平方メートルの敷地に野外炊飯場、木製遊具、遊戯舘を備え、宿泊型の大型児童施設として、当時、全国的にもモデル的な存在でありました。園庭には、大正時代に仙台で子供たちの活動を繰り広げようと童謡詩「おてんとさん」を創刊したり、子ども会を開いたり、街角でお話会を行ったり、いろいろな活動をした童謡詩人であるスズキヘキさんや天江富弥さんの詩碑が並び、長らく県内の児童文化活動をリードするなど、児童福祉の分野において、これまで非常に大きな役割を果たしてきた施設であります。

こうした実績を有する、この中央児童館ではありますが、宿泊機能を持つ本館や屋内活動場である遊戯舘は、平成17年に実施した耐震診断の結果、大規模な地震では倒壊する危険があると指摘され、現在では、その使用が中止されています。

県では、この施設が果たしてきた児童健全育成に関わる人材育成や情報提供といった機能を名取市に整備を予定している教育福祉複合施設に移管することとして、平成19年に、廃止する方針を打ち出していましたが、老朽化等を理由として一旦は廃止を決定したこの施設を、県では最近なって、このまま仙台市に移管したいという意向であるとのことです。仙台市として、全国にも誇るべき伝統ある児童文化の振興を進めるこの施設を引き受けるとなれば、市民の皆さんに安全に利用して頂くため、遊具その他の更新や改修、撤去等に数億円の経費が必要とも聞いております。当局では、この問題に関して、宮城県からどのような説明なり申し入れを受けているのか、この間の経過を含め現在の検討状況を示して頂きながら私の質問を終わらせていただきます。

宮城県中央児童館の移管

この施設につきましては、平成19年に宮城県から本市に打診があり、その時点では、建物・駐車場などを除いた区域について、保存緑地に指定されている緑地部分を含め移管したいということでございました。また、本年7月には、児童健全育成活動の場としての機能を維持することなどの条件も加え、移管したいという申し入れがございました。

この間、庁内で対応を検討してまいりましたが、保存緑地の引き受けにつきましては、大きな問題はございませんが、大型遊具の老朽化が著しい上、現行の安全基準を満たしていないなどの問題もあり、現状の機能を維持したままで引き受けることは極めて困難となっております。

今後は、園庭につきましては、公園としての活用も想定されますが、様々な課題もございますので、引き続き宮城県と協議してまいりたいと存じます。