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平成21年 第4回定例会会派「新しい翼」の加藤和彦です。 今年9月、仙台市の環境に関する平成20年度実績報告書が公表されました。杜にまなび、杜と生きる都仙台市、その市街地の西部に位置する青葉山・権現森・蕃山等の丘陵地帯の魅力を活かす各事業及び総合的な取組みについて質疑を行います。 自然環境の推移について⑴ 杜の都の成り立ちと現況の問題 仙台城の築城以来、伊達政宗は武士に広い屋敷を与え、自活できる仕組みを教えた。それで杜の都が屋敷林(居久根)・果樹花木を含む庭木と共に形成され、仙台空襲までその姿を保ってきました。戦後の復興期には機械の発達により土木建築の工法が一変し、団地形成が進むと共に生活様式が急速に近代化して、高度経済成長時代になると人力よる薪炭林が進むと共に生活様式が極度に減少したことにより、里山や森林の役目が終わったかに見えました。戦後一時は植林ブームで後世に希望を託したが手入れができずに放置され、その後見放された里山は荒れ放題になってきたが、近年、再び里山・森林・水辺には人間がオアシス効果である潤いや安らぎを求めて近づき、更に森林浴の健康効果が見直され、また幼少時の健康と教育に役立つとあっていっそう必要な存在となった。 市では1973年に制定した「杜の都の環境をつくる条例」に基づき、市と協定を結んだ保存緑地の所有者には毎年、保存協力金として1平方メートル当たり30円を交付しているが、建設局は援助金について、保存してもらうための「謝礼」の性格もあるとして、維持管理に使われているかどうか確認していない。私はこのようなやり方で保存緑地は守られるのか疑問を持たざるを得ないのです。 一度荒れたら健全な状態に戻すには5年はかかるといわれているが、市ではこれからどのように対策を講じていくのか当局のご意見を伺います。 ⑵ 西部丘陵地の特色と保存の必要 本市では、自然との共生・循環という恵みを受けてこそ持続的発展が可能になるという視点を掲げ、それに基づいて環境政策を展開してきました。都心地区に近い西の青葉山・権現森・蕃山・斎勝沼等は身近に四季を感じられる所であり、冷温地、暖温地の中間に位置する植生上の特徴から植物や動物の種類も多く、自然観察に絶好のエリアであります。 市は緑を保存するため、保存緑地、特別緑地保存地区や緑地環境保全地域、広瀬川環境保全区域などの指定によって、丘陵地は緑の保全と自然生態系を守る手当てがなされて市街地の緑の背景をなしています。 杜の都の本来の目的は、市民が健康で安全快適に生活できるための基盤づくりにあり、また温室効果を防ぐ対策に大きな役割を持つ緑の効用を生かすことも遠い昔から現在まで緊要な要素であることは疑いを差し挟む余地はないと考えます。 戦後60余年営々とこの事業に取り組んできた実績は住みよいまちづくりに多大な貢献をしていると評価します。そこで急速に進行している少子高齢化・忍び寄る人口減少・経済混乱による所得減少に対応する、今後の新しい暮らしづくりを支援し、推進する事業の進め方はどうあればよいか、当局のご見解と事業方針をお伺いします。 自然環境の推移について ⑴ 杜の都の成り立ちと現況の問題 ⑵ 西部丘陵地の特色と保存の必要
自然環境を活かしたまちづくり(保存緑地の保全) 保存緑地の保全についてでございますが、保存緑地につきましては、その土地の形状や規模、周辺の状況、土地所有者の事情などにより、維持管理の状態にばらつきがございます。 このため、定期的なパトロールを実施し、必要に応じて、緑地の管理について助言、指導を行っているところであり、今後とも所有者の協力を得ながら適切な保全を図ってまいりたいと存じます。
自然環境を活かしたまちづくり(緑の効用を活かした今後の取組み) 「杜の都」の緑は、地球環境の保全に寄与するとともに、都市環境の改善や健康・レクリエーションの場の提供など、様々な機能を有しており、市民共有の財産であると考えております。 ご指摘の青葉山や蕃山等の自然豊かな西部丘陵地の緑につきましては、緑の骨格として重要な地区でありますことから、本市といたしましても様々な取り組みを進めてきており、市民団体の方々も緑の保全や活用のために活発に活動されている地域でもございます。 杜の都という緑豊かな魅力ある都市空間をさらに充実させていくために、こうした方々のご意見も伺いながら、市民協働により、緑の活用を一層推進し、健康で快適な「杜の都」の環境づくりを進めてまいりたいと考えております。
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