仙台市議会委員 加藤和彦のHP。活動及びプロフィールなどのご紹介。

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宮城野貨物駅の移転事業への関わりについて


脱石油の鉄道輸送

石油価格の高騰については、世界中のひんしゅくを買っているにもかかわらず、オイルマネーの暗躍で米国の経済が揺るぎ、サブプライムローンの影響とともに、日本経済も多大の悪影響を及ぼしている実状は何方もご存じであるが、自由経済の原則から手をこまねいて眺めるしかない極めて困った状態が続いている。

だから石油を極力節約し、エコに精出すとともに最も有利な物流方法としてトヨタが打ち出したJR専用貨物列車の増発利用は、時宜

を得たものとしてその慧眼に賛辞を送りたい。もちろんトヨタ内部でも貨物船を抱えているため、必ずしも全力投球とは行かないが、世界的にもモーダルシフトが起き、ロシア・ヨーロッパでは鉄軌道の活用で大きな成果を挙げている。最近は自動車とその部品の輸送の拡大利用が多くなっている。自動車産業は世界中に生産拠点をつくり、その国内で販売する手法が主流となっており、そのための物流は輸送速度と確実性を求められ、輸送経費の節減が利益を左右する時代になっている。

市では、鉄道による物流輸送に対しての確実性をどのように考えているか、また脱炭素貢献度についてもお伺いします。

新設の貨物駅の構想と市の取り組み

言うまでもなく鉄道輸送は発着駅間の直通であり、その前後は道路をトラックでの輸送となるため、高速道路や取り付け道路の整備は効率化の手段として必要欠くべからざるものである。そこで新設の貨物駅についても市として最大の配慮を行うものと考えている。

設備規模はコンテナ車24EH500連結牽引トン数1200t、発着線7549m、荷役線8589m発着線兼用、コンテナホーム7500m、トラックプール約5000一部コンテナ置場、コンテナ置場2000個、引上線一線550m以上、貨物付帯倉庫8200以上となっており、仙台貨物ターミナル駅(仮称)として最新型の貨物駅を目指しており、広大な敷地に展開するものである。

そこで道路整備等も必要と考えますが、その場合、市はどのような対応をお持ちか当局にお伺いします。

 

仙台港の抱える諸問題

梅原市長は東北唯一の特定重要港湾仙台塩釜港の物流を考える

シンポジウムに出席し講演を行ったと聞いています。仙台港の有用性については強調しておりますが、現在の規模や設備では大型貨物船の入港接岸ができない状況であるため、大量のコンテナの搬出入には港湾の整備が前もって必要となります。自動車の大量積出港としての活用は大いに望むところであるが、原材料の搬入にも役立つため、県とともに早急に計画を立案して着工にこぎ着けてほしい。また仙台港背後地大規模な商業施設が立地することに港付近の道路が渋滞してしまうのではないかと懸念が示され、コンテナ輸送トラックを高速道路に誘導するような財政的な支援を求められている。

効率的な物流機能整備を掲げる市長に申し上げますが、急にはできないまでも急がないと間に合わないのが一番困るので、どの順序に整備していく考えなのかお伺いします。

宮城野貨物駅の移転事業・脱石油の鉄道輸送

鉄道輸送につきましては、トラック輸送と比較して、輸送の頻度やスピードといった面では劣るものの、大量一括輸送に適しており、また、定時性も高いといった優れた特徴を有しているものと認識しております。

また、温室効果ガス排出量が少なく、環境への負荷も小さいなどの特性を持つ輸送手段であると認識しております。

企業における輸送手段の選択は、経済性や効率性、あるいは危機管理など総合的に勘案し行われるものではございますが、原油などの価格が高騰し、環境問題への対応の必要性も高まる中、鉄道輸送の重要性が今後も増していくものと考えております。

 

宮城野貨物駅の移転事業・新設貨物駅の構想と市の取組み

貨物駅の新設に対する本市の取組みにつきましては、現在のところ、JR貨物から貨物駅の新設計画が明らかにされておらず、具体的な対応について申し上げる段階ではございませんが、新設に伴い必要となる既存道路の付け替え等の補償は、基本的には開発事業者が行うことになると考えております。

しかしながら、物流機能の強化は不可欠であると考えておりますので、広域交通体系の検討など、本市が担うべき役割を踏まえて、必要な取組みを行ってまいりたいと考えております。

 

宮城野貨物駅の移転事業・仙台港の物流機能整備

今後、仙台圏には、自動車関連産業などの大規模工場の立地が進むこととなりますが、こうした産業の集積をさらに継続・加速していくためには、将来にわたり企業の円滑な事業活動を支える物流基盤の整備を、迅速に進めることが不可欠であると認識しております。

仙台港の整備につきましては、現状では、セントラル自動車の操業に伴う完成自動車輸送等への対応として、モータープールの拡張や大型船舶の接岸が可能となる水深の確保などが課題となっております。

現在、港湾管理者である宮城県において策定中の次期港湾計画において、自動車関連施設の優先的な整備が盛り込まれることとなっております。

また、大規模商業施設の立地なども踏まえた港周辺のアクセス道路環境の整備などにつきましても、的確かつ迅速に対応していくことが必要であると考えており、こうした諸課題に対しましても、仙台港の物流が円滑に進むよう、引き続き宮城県などとも協議を行いつつ、精力的に取組んでまいりたいと考えております。