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宮城総合支所の改革に当たって
以上述べたように宮城総合支所の機能強化の視点は大別して3点ある。端的に言うと屋上屋を重ねその上総合支所には決定権も予算も限られている。宮城総合支所が区役所レベルの機能を持たない現状では、行政の効率が極端に悪く、早急な地域の要望に対応していない部分が目立つ。特に福祉分野においては、福祉事務所の機能がないため、区役所への単なる取次ぎ窓口に過ぎない状況である。それは大区役所制が禍しているし、どの区も同じような組織にすれば公平だろうという横並びの発想が見え隠れする。総合支所制はその中で誕生した制度で、窓口業務を中心とした、住民の期待から離れた行政側の眼で構想されたものである。 発足当時から現在までの経過を見て宮城総合支所の機能は適切であるか当局のお考えをお伺いします。
⑵ 即時対応の仕組み 例えばイノシシによる農作物への被害対策でありますが、宮城総合支所では、イノシシの被害調査や防除指導、及び被害農家からの要請による箱なわ設置を行っているが、被害対策や防除に係る助成等は本庁で行っている。イノシシによる被害を即時対応することは当然だが、効果的な被害対策についても総合支所に一元化して、被害農家と一体的に取り組んでいく必要がある。緊急災害救助活動も同様である。地域の被害実態を把握し、災害の起きやすい場所を肌で熟知しているのは総合支所だからである。 即時対応の必要な場合の宮城総合支所の対応のあり方について当局の改革の方向についてご見解をお伺いします。
⑶ 環境保護への対応 豊かな自然環境を有する宮城地区の環境保護を積極的に推進する係りは宮城総合支所のどこにあるのか。公園や道路の係は明確なのにどうしてか。条例で定めてあれば違反を取り締まることで責任を果たしていると考えるのは役人根性というものである。苦しくなれば本庁へ走るというのでは情けない。関係職員が大事な職務を執行するときは互いに知恵を出し合って、本来の目的を達成できるように努めるのが役所であると考える。誰か一人の係を当てれば事が済むと考えるのは間違いである。このような観点から宮城総合支所の役割を見直して行くべきであると考えます。 このことについて当局のご見解をお伺いします。
⑷ 産業振興に関する制度 宮城総合支所に産業振興に関する係は備えているのか。区役所にもない。だから地元に相談に行けないのです。来所者の話を一方的に聞くだけでは役所の仕事とはいえません。総合支所にはそれに対応する何の権限もない。これでは産業振興を掲げてもどこでも扱わないことになる。面倒なものは本庁へとなるのか。仙台市の弱点はこのようなところに現われています。 地域振興を唱えるのは今に始まったことではない。宮城地区にはそれにふさわしいタイプの振興策が講じられるのが当然であります。しかしその姿が見えにくい。ただだらだらと市街化していくだけでは後で修正が利かない。 例えば松原地区の工業団地は有効に機能しているのか。更に発展するとすればどのような道があるのか。そのような構想が明確であれば住民の理解も協力も得られやすいと考えるが現在はどうか。それが円滑に移行できるよう支援するのが役所の使命ではないだろうか。民間だけにすべてお任せというのはどうだろうか。 地域振興の要となる宮城地区の産業振興についてどのような対策を講じておられるのかその状況をお伺いします。
⑸ 住民活動への協調 地域住民の地域起こしとしてさまざまな活動を繰り広げているが、町内会の働きなしには成り立たない。いや町内会が主体となって活動しているのです。宮城総合支所はその企画から実施までよく対応しているが、これが地域との交流であり地域理解の原点であります。そこで宮城地区内の町内会が連携を強めて活動しその成果を高めるには、その集合体である「宮城管内町内会長連絡会」が性格の違う「青葉区連合町内会長協議会」と同等の立場で活動できるように組織替えがすることが必要であります。現状のままでは区連協と異なり、仙台市からの活動助成が出ず、また「市連合町内会長会」の会議に出席して意見を述べることもできない状況であるから、区役所から相応の口添えと活動資金が求められる。それによって総合支所の機能も集中できるはずであります。 市街地と性格の違う宮城地区の町内会組織のあり方について当局のお考えをお伺いします。さらに、区役所・宮城総合支所の改革について市長のご見解と新しく進む道についてお伺いします。
宮城総合支所の改革(宮城総合支所の機能/環境保護への対応) 宮城総合支所の改革に関するご質問のうち、総合支所の機能及び環境保護への対応についてのご質問にお答え申し上げます。 本市におきましては、これまで、地域の行政サービスを総合的に提供する、地域に身近な行政の拠点として、区役所・総合支所を積極的に位置づけてきたところでございます。 宮城総合支所につきましても、区役所との制度的な違いに基づく組織・権限の差はございますが、基礎的な窓口部門にとどまらず、建設部門や一定の福祉部門を配置しているところであり、政令指定都市移行後の20年間においても必要な見直しを行いながら、概ね適切に機能してきているものと認識いたしております。 これからの地域行政においては、市民との協働・連携のもとに、多様な地域課題に適応した地域づくりが求められてきており、ご質問の環境保護への対応という点につきましても同様の趣旨のご指摘であると受け止めております。従いまして、宮城総合支所の持つべき機能につきましても、このような視点も含め幅広く検討を行ってまいりたいと存じます。
宮城総合支所の改革(イノシシ被害等の即時対応のあり方) イノシシ対策につきましては、JA等農業団体や猟友会、県、市などで構成する農作物有害鳥獣対策協議会を設置し、情報交換や駆除方法などを協議しながら対策を講じております。市といたしましては、地域の実態を十分に把握している区や総合支所と綿密な連絡をとりながら、一体的な取り組みを進めているところです。 来年度からは、イノシシの捕獲頭数に応じた奨励金制度を創設するとともに、ふるさと雇用再生特別基金事業を活用した被害状況の確認や捕獲設備の巡回強化などを進め、捕獲体制や監視指導体制の充実を図ることとしております。 イノシシ対策の推進にあたりましては、今後とも、区や総合支所など地域と密接に連携しながら、一体的、迅速な対応に努めてまいりたいと存じます。
宮城総合支所の改革(宮城地区の産業振興) 宮城地区は、市街地へのアクセスの良さや恵まれた自然環境等の地域特性を有しており、産業振興にあたっては、地元の資源や歴史的な背景をふまえた取組みが重要であると考えております。 特に愛子及びその周辺地区につきましては、ものづくり機能や流通業務機能の集積が進み、議員ご指摘の松原工業団地ではこれまでの誘致活動等によりまして、最先端の半導体関連工場など多くの企業が立地し、現在は殆ど空きが無い状況にあります。 また、作並、新川、定義などの西部地域の豊かな自然環境や歴史的資源を活かし、観光や市民のリクリエーションの場として交流人口の拡大を図りながら観光関連産業の振興につなげているほか、農業の振興にも取り組んでおります。 今後も、宮城地区のもつポテンシャルを十分活かし、地域の経済団体と連携を図りながら、経済の活性化に引き続き意を用いてまいりたいと考えております。
宮城総合支所の改革(町内会組織のあり方) 宮城地区はもとより、本市におきまして、良好な地域社会形成のために、町内会の皆様が果たしている役割は、きわめて大きいものと考えております。 また、地域自らが地域の特性にあった活動を進めるために組織のあり様も含め、検討していくことは大事な視点であると認識しております。 お尋ねの町内会組織のあり方につきましても、第一義的には、町内会の皆様方で十分にご協議いただくことになりましょうが、本市といたしましても、主体性を尊重しながら、引き続き、ご協力させていただきたいと存じます。
宮城総合支所の改革(区役所・宮城総合支所の改革) 本市におきましては、大区役所制を基本として、他都市に比較しても幅広い事務を区役所の事務とし、区役所を、市民に身近なサービスを総合的に提供できる総合行政機関と位置づけてまいりました。また宮城地区及び秋保地区についても、市民生活に直結する業務を総合的に所管する組織として総合支所を設置し、地域行政サービスの充実を図ってきたところでございます。 また、その組織、事務分掌、執行権限等については、これまでも、市民の皆様の行政ニーズや社会情勢の変化に対応した見直しを行い、必要な対応を図ってまいりました。 こうした地域行政サービスの拠点となる区役所・総合支所を重視する基本的な方向性に変わりはございませんが、そのうえに立って、その具体のあり様については、不断の検証を加え、的確な見直しを図っていく改革の努力が必要であると認識しております。 とりわけ、今後の市政においては、市民の皆様の積極的なご参加をいただきながら、個々の地域の特性に応じたきめ細やかな地域づくりに向けて、協働・連携を軸とした取組みを効果的に進めていくことが重要であり、こうした点から区役所・総合支所の役割を高めていく必要がございます。 議員から多岐にわたるご提案を頂戴いたしましたが、地域の方々が心豊かに暮らすことができる地域社会形成にむけた拠点として、宮城総合支所をはじめ、区役所・総合支所が、その役割をこれまで以上に効果的に果たすことができるよう積極的に取組んでまいる所存でございます。 |