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意見書 持続可能な介護保険制度の確立を求める件

平成24年度の介護保険制度改革については、地域包括ケア構想等様々な議論がなされているが、サービスの公
平性・効率性を図りつつ、財政基盤を強化して、制度の安定的運営を確保することが重要である。財源の確保については、サービスの質の向上等を図るために安易に国民に負担を求めることは問題である。
また、国の制度見直しの中では施設入所を抑制するため、家族介護力や地域社会の生活支援を前提とする新た
なサービスの導入が検討されているが、在宅サービスの押付けではない、利用者本位の制度の構築が求められている。さらには、国が一律に定める介護サービスの設置・運営基準は、投資・運営コストの増加やサービス利用者の負担増を招いている。よって、国会及び政府におかれては、平成24年4月の介護保険制度改正にあたり、国の責任において持続可能で利用者本位の制度が確立されるよう、下記事項の措置が迅速に講じられるよう強く要望する。



1 安易に保険料や利用者負担の増額等の国民負担を求めることなく、国の責任において公費負担を増額して財政基盤を強化し、介護人材の確保やサービス環境の改善が図られる持続可能な介護保険制度を確立すること
併せて、利用者ニーズの高い施設サービスを拡充するため、施設サービス給付費の公費負担割合を居宅・地域
密着型サービス給付費と同一水準に是正すること
2 いたずらに施設サービスを抑制することなく、地域包括ケア構想が提起するサービスの効果・コストやサービス提供に必要となる区分支給限度額を検証することにより、在宅サービス・施設サービスの選択が可能となる、利用者本位の介護保険制度を確立すること
3 社会福祉法人や介護サービス事業者が地域ニーズに適切に対応する良質なサービスが提供できるよう、介護サービスの設置・運営基準を自治体の裁量に委ね、国の関与を最小限に留める等、地方自治体主体の制度運用を図ること

以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。

平成22年12月17日

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣  
財務大臣   
厚生労働大臣   様