仙台市議会委員 加藤和彦のHP。活動及びプロフィールなどのご紹介。

仙台復興リポート

 

前の記事  |  次の記事  ]

加藤和彦 定例会一般質問

 

自由民主党・仙台の加藤 和彦です。今回は奥山市長の掲げられた仙台経済成長の4つの数値目標を見て、これまでにない感覚と視点で設計されたものと深く共感しました。そしてこれまで私が提起してきた課題の解決に素直に応えていることに敬意を表します。

  東日本大震災の復旧・復興はこれまで仙台市が経験したことのないとてつもない大事業で、周りを見渡す余裕がなかったこともわかります。その時私は再興の目標をしっかり掲げて取り組むよう提起しておりました。単に元の姿を取り戻せばよいというものではなく、社会の進展の姿を追いかけるばかりでなく、仙台市の持つ使命と力点を踏まえた振興策を立てるように要望してきました。まだ踏み込みの足りない要素がありますので、それを指摘しながら質問を展開していきたいと存じます。
 
1中小企業を中心とした産業の基礎体力強化による成長について
 
市内を見渡してみて、全国的に有力な大企業と呼ばれる企業は見当たらない。仙台市の上場企業はわずか15社で中小企業や零細企業の集まりが仙台の産業を構成しています。直接・間接に市民・国民・世界のために役立つ目標と技術を持つ企業を掘り起こして支援していく市の姿勢が大切だと考えます。仙台経済成長デザインの新たな成長モデルは正にそれを表していると考えます・
 
 それを東北の成長による仙台経済の成長維持に期待するというのはステップが大きすぎるのではないでしょうか。大震災以来、特に「絆」・「連携」とかが強調して意識され、近隣市町村とどう向き合うかが問い直されている現在です。市から東北へではなく、まず近隣市町村と連携して大きな力を作り出し、そのステップで県内に発信・支持され連動して活力を生み出して、次のステップで東北へとなる流れ図を描いております。そして地方分権への道が開けるという構図です。これまでの様子を見ていると、合併交渉で成立しなかった市町との連携が思うようにいっていないように見えます。私はそれが市の成長を妨げているものだと考えます。
 共に一丸となって広域連携の実を取り活動しながら成長していくのが筋だと考えますが、この仙台都市圏広域連携について奥山市長のご見解をお伺いします。
 
 競争力強化策は「好循環実現のための経済対策」の柱の1つであるが、第一にそれに繋がる設備投資の促進、科学技術イノベーション、技術開発の推進、海外展開の推進、金融機能の強化、公的・準公的資金の運用等の見直しで構成される経営革新策であります。それに交通・物流ネットワーク等の都市インフラ整備など広域的な視点に立ち、地域、農林水産業、中小企業・小規模事業者の活力増進、中堅・中核企業の育成などで競争力強化を目指すものです。
 
 しかしながら、仙台の大きな課題の一つに中堅・中核産業の不足があります。市の周辺にはトヨタ系の企業が林立し、花を添える形でスマホより薄い太陽光発電に成功し新世代型の太陽電池を製造するソーラーフロンティアが工場進出する。亘理町には大東精密㈱がプラスティック樹脂成型を基本として超精密加工を得意とし、すでに数社の海外工場を持っている。なぜ、仙台にこのような企業が根付かないのか、何か理由がありそうに思えます。市ではそうした進出情報に本気で取り組もうとしないのだろうか。県ではトヨタ系の企業誘致に何年も頻繁に誘致活動を行い、本県立地の有用性を企業に認めさせ、大工業団地を複数準備して待ち受けた実績があります。仙台市は全く及び腰で一つも誘致に成功していない。
 
産学連携の容易さ重要さ、市民の高度な能力を持つ働き手の多さ、高度な暮らしやすさを評価されている住居環境の充実度など、仙台の魅力をしっかり発信し、広域的な視点での中堅・中核となる企業を誘致する計画に全力を挙げるべきだと考えております。
 
 企業の更なる競争力強化策、企業誘致にはどのように取り組むのか、市の計画を当局から伺います。
 
 次に「仙台」という銘柄名がどんな「らしさ」に繋がっているか、農産物なら仙台白菜、仙台芹、仙台曲り葱、仙台雪菜、仙台長茄子、仙台イチゴ、料理なら焼きハゼの乗った仙台雑煮、肉なら仙台牛など多くの市民に親しまれている食べ物ですが、市内産となると米以外の農産物は、近隣市町あるいは県内で生産されたものが多く流通しているように見受けます。市民は親しみと誇りを持って消費しているわけで、この流通消費構造が現在の仙台市の姿なのです。だから、よほど新しい視点から起業しないと、これまでと同じでは本場物に太刀打ちできないのは当然です。食についてはすでに役割分担ができていて仙台圏が構成されていると考えるのが自然でしょう。仙台市はどのように料理したら更に美味しく好まれて消費できるか知恵を絞るべきだと考えます。
 
 山元町では世界市場を目指した事業を構築しつつあります。インドで現地向け専用のイチゴの通年栽培に乗り出したり、福岡県の化粧品会社と協力してイチゴを原料とした石鹸とクレンジングを開発し発売するなど単なる農家に終わらない手法をとっています。
 
 この仙台圏における農産業の振興について当局のご見解をお伺いします。
 
 商店街の振興についても新しい発想で取り組むべきであると考えます。一番町や仙台駅周辺の振興を図っただけでは市民は満足しない。時代はすでに車社会が定着していて、中心部の他に大型スーパーやアウトレッドが多数郊外に進出して、新しい商圏を形成しており、人の流れはそちらに多く向いている現実を直視しなければならないと考えます。良いものを選べる、自由に選べる、比べて安い方を買える、そして現在の傾向は品質の良いものが、安い商品より高く評価され選択される時代になっている。そうすると市内中心部にアンテナショップを開業してもお客が寄りつくかどうか、不透明な営業となる確率が高い。そしてよく調べると、「道の駅」や「高速道路のサービスエリア」等の繁盛ぶりに目を引かれます。地場産品や特色のある品揃え、そこでしか手に入らない商品がある。さらに新鮮さや味の良さで勝負する地産地消を地で行く店に、人だかりができるのは自然でしょう。買い物ツアーが人気を呼び遠くまででも行く時代であることを銘記して考えるべきでしょう。
 
 振り返って仙台をよく見ると、このような店や場所は見当たらない。市外だからできることなのか、大型スーパータウンに任せるのを選択しているのか、私の目では確かめられない。「道の駅」方式の普及にはその周辺の農家の方々の協力と努力が求められるが、大震災から立ち上がる方法としても打って付けではないでしょうか。米の生産に戻ればよいとばかり考えていては将来の発展は望めない。すでに食用米は過剰生産で飼料米への転換が図られている現状では、明るい笑顔の見える次の仕事への切り替えを本気で考える時期だと考えて提案しています。
 
 この点については以前から申し上げておりますが、市当局のお考えをお伺いします。
 
 
2 復旧・復興事業の進捗状況と今後の見通しについて
 
 仙台市は震災によるがれきの処理もいち早く終了し、発災後の公共施設の復旧事業は、ほぼ収束しつつある感じですが、被災した公共施設の中でも道路や橋梁、公園、重要なライフラインの一つである下水道など、最も多くインフラを所管する建設局に於ける災害復旧事業の進捗状況と今後の見通しについて市民に報告する必要があると考えます。
 
 これらについて当局からの事業の進捗状況と今後の見通しについてご説明願います。
 
 新年度の当初予算を見ても災害復旧事業から、復興公営住宅をはじめとした、いわゆる復興事業へシフトしていることが見て取れます。復興事業には復興公営住宅建設、防災集団移転促進、丘陵部の宅地復旧など、様々なものがありますが、被災された方々の一日も早い生活再建、市民の安全な暮らしを守るためにも早期の完了が望まれております。
 
 主な事業の新年度予算に於ける進捗の度合いとその後の見通しについて当局にお伺いします。
 
 
3 公共事業(投資的経費)について
 
 新年度の当初予算案と共に、公表された財政見通しによれば、いずれ災害復旧事業、復興事業の収束に伴い、投資的経費は減少していくものと思われます。
  震災前の平成22年度の投資的経費の予算額は521億円でしたが、新年度予算案では、震災分の普通建設事業費が820億円、通常分が470億円、災害復旧費68億円を合わせた投資的経費額は1,358億円と2倍強になっています。これが、財政見通しの最終年度である29年度では震災分が53億円、通常分が456億円、災害復旧と合わせても516億円と、ほぼ震災前の規模まで減少していく見通しとなっています。私は、地域経済との関係で、その先の投資的経費の事業規模がさらに減少していく方向に懸念しております。
 
 このことに関連しますが、現在当局では、公共施設総合マネジメントプランを策定中であると伺っております。その進行状況としては昨年末に示された中間案に対するパブリックコメントを行い、現在最終案のとりまとめの段階に入っているということですが、その中間案によれば、高度経済成長期や政令指定都市移行期間に集中的に整備した各般の施設が、今後軒並み老朽化していくことが確実であることがわかります。
 今後、多額の更新費用がかかってくる見通しがプランで示していますが、公共施設総合マネジメントプランにおいては、どのような課題認識に立ち、どのような取り組みを行うお考えかお伺いします。
 
 公共事業というものは、とかく景気や財政状況に左右されがちですが、地域経済にとっては非常に重要な役割を果たしているものと認識しております。建設業者だけではなく、資材業者、電気・機械設備業者・流通業者を初めとした幅広い業態に経済的に波及する。まさに地域経済を支える土台のようなものと考えております。
 
 そこで、災害復旧や復興事業が収束した後にも、一定程度の公共事業量は確保すべきと考えますが、当局のご所見をお伺いします。
 
 
4 仙台の交流人口の発展的な増加法について
 
 2015年いよいよ地下鉄東西線が開業しますが、大きな投資を重ねてきただけに、交流人口の発展的な増加はどんなことがあっても実現しなければならない大目標であり、仙台市の命運を賭けた取り組みが求められる大事業であると考えております。
  地下鉄東西線が走る国際センター周辺は、東北大学、仙台城、県美術館、仙台市博物館などが軒を並べており、「都心型コンベンションの場」にしたい奥山市長は構想を練っておられるようですが、当然国連防災世界会議に対応する展示・会議の場の提供をはじめ世界中から参加する5000人の受け入れ策を実体のあるものにしていくために、多くの課題を乗り越えなければならないと考えます。
  展示・会議場の規模のとらえ方について考えられるのは、東北大学での学会会議の受け入れを目指すとすれば、1万人~13千人の規模になりますが、収容人数は最大何人を見込んで計画しようとしているのか、施設を充実させるには川内地区では到底間に合わないのではないのか疑問が絶えません。

 具体的な目標を奥山市長にお伺いします。

  次に宿泊施設の現状はどうでしょう。現在外国人が宿泊できるホテルの数は僅少で、収容能力も少なく今後急速に増えることは難しいと考えられます。そして国によっては1フロア契約を求めることも予想され、その対応は非常に難しいのが現状でしょう。外国人が5000人とか、国内から1万人を超える来場者の宿泊施設の整備は、県にも働きかけて会議誘致の補助金を充実させ、様々なコンベンションが相次いで開催されるようにして、採算上新しい宿泊施設の新設が容易に進むように場の提供など環境整備をして、全国の業界に働きかけるなど、課題を十分掘り下げて、手順を追って計画するのが適切ではないかと考えます。宿泊施設が貧弱だと、宿泊は東京、展示・会議は仙台となり、新幹線で2時間ちょっとの時代だから、参加者はより便利で快適な方を選択する時代です。宿泊代と飲食代・購買額を加算した経済効果は非常に大きいと考えております。またリピーターの創出を考えて取り組まなければ、その場限りとなって次に繋がらなくなります。
 現在の宿泊施設の収容力と今後の見込みについて当局の計画をお伺いします。
 
 大規模コンベンションと観光は付きもの、いわば付加価値ととらえられ巨額の経済効果を生む有力な道と見られておりますが、仙台市内の観光名所の掘り起こしは少しも進んでいないように見受けられ心配しております。仙台の歴史は江戸幕府に対抗して様々な備えや活動を行ってきました。また戦災後復旧しながら名所を残した経緯もあります。これらを振り返りながら仙台を認識していただくには、外国人も分かる由緒来歴を記した看板の設置や通訳のできる案内人を多数養成することも大事な要素です。
 
 標識の書き換えや追加もいまいちでこれからという状態と見ております。少なくとも英語・中国語・韓国語の3カ国語は併記すべきでしょう。外国人が出入りする場所は分かりやすくして案内する「おもてなし」の心を伝えることが必要だと考えております。外国からの観光客は国連防災世界会議のずっと前から誘致しているはずだから早急な整備が求められます。休憩所やトイレの整備はどうか。観光客の目線で必要なものを早急に整備する計画を練り上げなければならないと考えております。市民すら知らない名所の候補地を探し出す活動範囲をどのように決めるか、市民の活動に期待することが多々あると考えております。市内の案内地の選択はただ広げればよいというものではないでしょう。そこに至る道路の整備や駐車場スペースの確保、外国人向けの食堂や特色のある土産店の設置など、国際化となれば人的・物的備えが重要であると考えますので、人材の育成や地域の協力体制作りなど必要事項を取り出し、実行の流れ図を作成して取り組むことが重要と考えます。
 コンベンション会場の設置、設営、運営などは役所仕事には向かない部分が多分にあり、専門の業者に十分意見を聞き、場合によっては、委託するなど、方法を考えなければなりません。市は税金を使ったり借入金で賄ったりするので、返済金の支払いを確実にして、後世に負担を残さないことを考えることが大事ではないでしょうか。
 
 市は各界有識者による「コンベンション戦略会議」の最終会議を開き、助成制度や施設の充実、専門的な人材育成といった環境整備の重要性を確認しています。さらに東北の名所を点から線で結ぶ東北巡りゴールデン観光ルートを何本か設置して、広く外国人の要望に対応する取り組みも必要です。
 
 このような課題にどのように取り組む計画なのか、当局にお伺いします。
 
 国際交流を掲げる場合、会議のために外国人を呼ぶだけでは世界に通用しないでしょう。国際化には人的交流が基本であり、呼ぶ限りこちらからも出て行って初めて交流が進むものと考えております。お互いにそこを知る、理解する。そのためには従来の留学生交流中心のやり方から一歩前進して、仕事をする人を交流する、派遣労働者を交換する。そしてお互いに刺激し合う。県内では専門的・技術的分野、介護福祉候補、技能実習、アルバイト等の資格外活動などで働いている。学生の交流よりも深い付き合いになると考えます。その中で外国人の目線で新しい提案を受け入れたり才能を活かす中で、技術移転による支え合いや、目標を持って必死に生きる姿勢こそ我々が求めるものではないでしょうか。結局国際化は行き着く所、都市間の連携が必須となります。前から提案してきた外国への進出が仙台市を支える大きな力になることをもう一度確信をもって提案します。
 
これまでの及び腰の見解を飛び越えた当局のご所見をお伺いします。