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加藤和彦 決算特別委員会震災復興推進特別委員会質問西暦八六九年(貞観十一年)三陸沖の貞観地震M8,3の千年以来の、この度の三陸沖を震源とする今回の地震の規模はM9.0で、1896年(明治二九年)三陸沖地震M8,2、1923年(大正十二年)の関東大震災のM7.9、1933年(昭和8年)三陸沖地震M8,1、1978年(昭和53年)宮城県沖地震M7,4や平成六年(1994年)の北海道東方沖地震のM8,2を上回り国内観測史上最大、アメリカ地質調査所によれば1900年以降、世界で四番目の巨大地震であります。 被害地域は東北地方の太平洋岸一帯に及び、数多の人命と街が失われ、岩手・宮城・福島・茨城・千葉など、実に一都九県が災害救助法の適用地域となり、死者・行方不明者の数は平成七年の阪神・淡路大震災の6437人をはるかに超える大震災でありました。 また、津波によって原子炉の冷却機能を喪失した福島第一原発の事故にともなう放射性物質の放出は、多くの国民に健康に対する不安を与え、経済的な二次被害をもたらしています。まさに戦後の日本にとって最大の災害であり、我々はいま、その渦中にいます。 東日本大震災は、戦後の日本が初めて体験する「国難」ともいえる試練です。 しかし、国中が空襲によって焦土と化し、300万人が犠牲となった太平洋戦争を想起すれば、今回の震災では北海道や西日本は無傷と言ってもいい。 首都圏も原発の問題があるとはいえ、おおむね機能している。もちろん直接の被災地域の我々は戦慄を覚えていますが、日本を1つの生命体と考えれば被災地を支えられないほどの瀕死の重傷を負ったわけではありません。 もう立ち直れないという不安に日本全体が囚われてはいけない。不安に囚われて自信と気概を失い、後ろ向きになったときが本当の国難であります。 私共の親たちが焦土と化した、戦後の日本を懸命に立ち上がらせるためにはどれほど尽力してきたかを考えると、今度は自分達の年代の国民がやらなければと自覚しそして希望を持ち、長い“茨の道”が続くとしても粘り強く事に対処していく決意を述べ質疑に入ります。 仙台市一般会計補正予算案中、丘陵地区等の被災宅地再建50億4800万円に関連して質問します。 まず市では、地滑りや擁壁崩壊などの被害があった丘陵部の宅地周辺で、斜面の復旧工事を本格化させ、崩落部分に改良を加えることで宅地の地盤安定化を図り、公共事業で対応できる市管理分から工事を急ぎ、その中で斜面と市道の復旧工事を泉区北中山3丁目、東黒松、青葉区高野原、滝道1丁目今月中旬、始めると伺っております。それぞれの災害箇所の変状メカニズムは異なるが、どのように分析し、対策を講じたか伺う その中で宮城地区の震災被害団地の復旧・復興・振興に絞って伺います。 大臣視察を含め全国にその名を知られた折立団地を始め、西花苑・高野原・新川佐手山・吉成等の団地における崩落、地割れ等の被害が発生し、住民生活に重大な障害が生じたことについて出身議員としても何ができるか知恵を絞っているところであります。 私の考えは被害が生じた場所が元通りになればすべて完了というのではなくて、散々汚名を着せられた団地の評判を回復させ、震災前よりも活気があって住みよい団地に生まれ変わることを目指しながら、その中で第一に着手する復旧事業を位置づけて考え将来に結びつけて計画するという立場で論じてまいります。 高野原団地について 今月中旬から始まる高野原団地の工事の施工と、いつ頃を目途にしているのか伺います。 { 2丁目・3丁目は切り土の上に盛り土 1丁目は南側は土砂崩れ、北側は沢を埋めた盛り土で変状メカニズムが異なる} 1 折立団地について 折立地区は仙台城から山形に至る最上古街道上に位置し、蕃山・大梅寺など昔から市民に親しまれている地域であります。折立団地は県の供給公社が緩い北東向き斜面を、1964年頃沢部分を埋め立てて造成した谷埋め盛り土であります。この付近は北東方面に流れる沢筋が3本あり、これらの沢を埋めるように造成盛り土がなされています。古地形図から読み取れる旧地形は急峻でないもののV字谷を形成しており、造成後の盛り土境界の勾配は急であります。 ⑴ 被害箇所は本当に復旧できるのか ア 滑動崩落の素因 ・地下水が高い 蕃山から流下する水は地表だけでなく地下浸透水として団地内に入る ・盛り土の柔らかさ 岩盤の安山岩が風化してできた粘土と礫が混じった土壌で盛り土として保水力が大きく、北東斜面であることも加わってじめじめしている ・谷地形に盛られた盛り土 地山と盛り土の境界に大きく強度差があるので滑りやすい イ 誘因 ・ 最大震度6弱の地震があった・継続時間の長い地震動であった ウ 変状発生 ・地震動により形成された滑り面に沿って、ブロック状に宅盤が広域変形したために、宅地に変状が発生した ・脆弱した土塊内では、部分的に円弧滑りの発生や盛り土自体の圧縮沈下が見られ、擁壁の転倒・宅地の陥没等が発生した ヱ 市の対策方針 ・本地区の変状は盛り土面と地山の境界面での滑動崩落に起因していることから、工法としては地滑り的な移動を防止することを優先する必要がある。 滑動崩落への対策としては、宅地の平均勾配・用地的制約から杭工(ブロックごとに配置)が有効と考えられる。 また、地下水が高いことから地下水排除工(暗渠など)を実施することも重要である。これらを実施した後、各宅盤の補修を実施する必要がある。 これらについて伺います。 ⑵ 団地全体の復旧について ア 復旧を要する地域には 危険性のある部分から立ち退かせてより安全な地域への必要性を住民に周知させ、現地に住み続けたい気持ちはわかるが集団移転を勧めるのが懸命だと考えます。しかし高齢になって移転といわれても資金もなく新築して何年も住めないのではそれも困る。降って沸いた災難としか言いようがないですが、市ではどのように説得できるのか。 折立五丁目地区宅地復旧対策等説明会を開催した結果はどのようなものであったのか。住み続けたい住民がどのように根拠で意見を述べたか、それに対して市では今後どのように対策を進めるのか伺います。(10戸の希望者がまとまらなければ集団移転は実施できない) イ 被害の発生の恐れのない地域には 現在被害発生のない土地も同じ状態の開発工事を行なったのであるから、地山の上に建っている部分だけ残すという方法は現実的なのか。残った部分で折立団地を縮小した場合、魅力ある団地づくりができるのかどうか。 ⑶ 安全安心な住居に住み続けられるために 第一に少しでも居住に危険を伴う地域を移転促進地域への指定を促進するよう当局の強力なリーダーシップをとるよう要請します。 第二に住民任せでなく市が積極的に相談に乗り、一日でも早く安心して住めるよう手を尽くしてほしい 第三に災害地の公園化など自然への復帰を考慮した土地利用法について地域住民と協力してよりよい街づくりを実現する。 {復旧・復興が進まないと、折立小学校の今後が見えない。} 2 西仙台ハイランド団地について 西仙台ハイランド団地は新川佐手山にあり出口は国道48号線で西仙台ハイランド駅があり、奥に仙台ハイランドがあり、ゴルフ場・遊園地・レースウエイを持ち利用者の自家用車が団地内を通過する。どちらかというと別荘を主にした団地であり、広々とした敷地に悠々と住めるところであります。 しかし、今回の大震災で団地の様相が一変した。至る所に崩落と地割れが生じ敷地ごと陥没したり道路が陥没して通行不可能になったりで、自費で補修できるような状態でなくなった。幹線道路は市道であるためにある程度復旧したが、都市計画区域外ということもあり、団地内は手つかずのままの所もあり、住宅もどうにもならないまま放置されている状態であります。 ⑴ 被災の状況 ア 被害宅地面積 41,560㎡ イ 被害宅地上の家屋戸数 危険家屋12戸 要注意家屋2戸 不明家屋1戸 計15戸 ウ 被害形態 地滑り、谷埋め型盛り土に起因(滑りを伴う) ⑵ 復旧の困難点 ア 私有地の分譲による用途指定がない イ 地滑りが深い谷に向かって起こっている ウ 団地の住民の意見が集約されてない ⑶ 市のアドバイスの必要 ア この地区の今後の維持・廃止について開発業者と話し合う。 イ 危険家屋と要注意家屋への対応について住民と話し合う中で、この団地の発展のため、まちづくり支援専門派遣制度の活用によって一定の方向性を打ち出すようアドバイスする 仙台市の復興は、仙台力を世界につなぐ市民の克己心と勇気で勁く一歩前進することであり、いま、生かされてる私たちの責任と義務であり、希望と生きがいであります。このことを信じ質問を終わります。 |